[特集]bounceが選ぶ2025年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音……いろいろなことが起こりすぎて、何とも言えない気持ちになることの多かった2025年。さっさと忘れてしまいたい気持ちもありつつ、それでも、そんな日々を彩った音がこんなアルバムたちと共に素敵な記憶として残っていきますように。まずは毎度の100枚から!!

 この一年はどんな年でしたか? 正確に振り返ることができなさそうでも、これらの作品のいくつかはきっと2025年という年のさまざまな空気感を思い出させてくれるはず。ここに並ぶ作品は誰かにとってのそういうアルバムであり、恐らくいくつかはこの先も聴き続けるであろうアルバムです。そして、もしまだ聴いていなかったとしても、いつでも聴きはじめることのできるアルバムです。そんなわけで2025年も本当にお疲れ様でした!

 なお、この特集内で紹介しているのは、本誌の2025年1月号(2024年12月25日発行)から12月号(11月25日発行)までにフィジカル盤として掲載したタイトルです。なので配信タイミングとはズレますがご了承ください!


 

DON’T FORGET ME NOT 2025
bounceが選ぶ2025年の100枚

SLEEP TOKEN 『Even In Arcadia』 RCA/ソニー(2025)

多様なスタイルを轟音に組み込む新発想のラウド・ロック勢がさらに目立ってきた2025年でしたが、前作でブレイクしたロンドンの匿名バンドによるこちらは全英/全米チャートで首位をマーク。ぶっちぎりでした! *出嶌

 

TURNSTILE 『NEVER ENOUGH』 Roadrunner(2025)

枠をはみ出る音楽志向で、ハードコア・パンクを更新してきたバンドの4作目。AGクックやフェイ・ウェブスター、シャバカ・ハッチングスら意外な面々を今回も召喚。誰の追随も許さない。 *田中

 

ゆうらん船 『MY CHEMICAL ROMANCE』 KAKUBARHYTHM(2025)

傑物揃いのメンバーが創造性をスパークし合った3作目。ラインナップに広がりを見せている近年のKAKUBARHYTHMだが、内村イタルらを擁するこの5人組の加入には驚かされた。 *田中

 

WET LEG 『moisturizer』 Domino/BEAT(2025)

ライヴ・メンバーが正式に加入して5人組となった2作目。一枚岩となった状態がストレートに伝わる、しなやかで活き活きとした演奏には、バンドというものの魅力が詰まっていました。 *田中

 

DURAND JONES & THE INDICATIONS 『Flowers』 Dead Oceans/BIG NOTHING(2025)

もはやリヴァイヴァルとも言われないほどレトロ・ソウルが何周もして定着するなか、ブルーミントン発の彼らによる4作目も好感触でした。2025年らしさもありつつタイムレスと言いたい逸品! *出嶌

 

GIVĒON 『BELOVED』 Epic(2025)

セヴン・トーマスやギッティらブレーンと共にオーセンティックさを突き詰めることで独自の美に辿り着いた2作目。バリトンの味わいが往年のソウル・レジェンドに比肩するほど深化した“TWENTIES”などが大収穫でした。 *出嶌

 

CA7RIEL & PACO AMOROSO 『PAPOTA』 5020/ソニー(2025)

軽薄さと軽妙さをお洒落に融合させたアルゼンチン発デュオは世界を夢中に。先日、フレッド・アゲイン(&エズラ・コレクテイヴ)との苗場組には嬉しい合流も実現! *田中

 

CLIPSE 『Let God Sort Em Out』 Clipse/Roc Nation(2025)

間違いなく2025年の重大ニュースに挙げられる彼らのリユニオンは、16年ぶりのアルバムに大きく実を結びました。ファレルが全曲を制作し、ケンドリックらの援護も強力。問答無用の最優秀ヒップホップ・アルバムです。 *出嶌

 

LORDE 『Virgin』 Republic(2025)

エレクトロニクス主導のダンサブルな音作りで原点回帰を印象付けた4作目。オーガニックでサイケな前作の路線も個人的には大好きでしたが、やはりこのエッジーさこそがロードなんでしょうね。 *田中

 

ALEX WARREN 『You’ll Be Alright, Kid』 Atlantic/ワーナー(2025)

情熱的な歌唱を聴かせるシンガー・ソングライターの、世界的ヒット“Ordinary”を輩出したEPも含む初のフル・アルバム。ジェリー・ロールとのコラボも良好で、いよいよエド・シーランを猛追する存在になりそうです。 *出嶌