ラップのPecori、ギター/ボーカルの有元キイチ、ベースの榎元駿から成るODD Foot Worksが2025年8月4日(月)にビルボードライブ東京にて〈ODD Naked〉と題した公演を行う。2017年に発表した初作『ODD FOOT WORKS』で当時の音楽シーンに一石を投じ、同年夏にはROOKIE A GO-GOに選出されフジロックに出演、メンバー個々が各所でその手腕を発揮しながらヒップホップをベースにODD Foot Worksだけの音楽性を追求し続けている。

1年前に横浜にて初のビルボードライブ公演を成功させた彼らだが、ビルボードライブ東京のステージは今回が初めて。しかもODD Foot Worksの3人に加え、乃紫のバックなどで演奏する箱木駿(ドラムス)、パスピエの成田ハネダ(キーボード)などをサポートに迎えた通常とは異なるメンバー編成でのライブになるという。

デビュー時からODD Foot Worksを認知している方も多いだろうが、ここ2〜3年は3人それぞれが日本の音楽シーンに風穴を開けるほどの活躍ぶりを見せている。特にNumber_iのデビュー曲“GOAT”(2024年)にPecoriが作詞で参加したことは大きな反響を呼んだ。Number_iの平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太がそれまで在籍したグループから離れ、新たな地でスタートを切ったその幕開けの1曲である“GOAT”はそれまでの3人のアーティストイメージから大きくかけ離れたリリックとサウンドで多くのリスナーの度肝を抜いた。

“GOAT”のヒットを契機に、PecoriとNumber_iのタッグはその後も続き“INZM”や“GOD_i”など中毒性の高い楽曲を量産していく。Number_iのボーカル録音ではディレクションも務めるPecoriは、「バンドやグループにとって、バランスというのはすごい重要なんです。音楽うんぬんだけじゃなくて、メンバー間のバランスというのはほんと大事。3人はとてもいいと思います」と自らのODD Foot Worksでの経験も踏まえた上でのコメントも残している。Pecoriのリリックとラップ、そしてディレクションによって成長を続けるNumber_iは、この先より尖った表現で我々を驚かせてくれるだろう。

そんなPecoriに負けず劣らずの活躍を見せる有元キイチは、プロデューサー、ソロアーティストとして良質な楽曲を生み出している。2023年に有元が作詞・作曲・プロデュースを担当した三浦透子の“私は貴方”は、ピアノとアルトサックスとフルートが静かに絡みあい、三浦の歌声がより神秘的に響きわたるポストクラシカルなナンバーだ。また、有元自身のソロ1stシングルに収録された“私は貴方”のアンサーソング的な“聞いてたの?”(2023年)では三浦を客演に迎え、幽玄な調べとともに穏やかなかけ合いを披露している。

さらに、昨年10月にリリースした両A面シングル『叫ぼう/必然』でも有元は新たな一面を覗かせている。ムーディーなサウンドと高らかに歌い上げるサビが印象的な“叫ぼう”、打ち込みのリズムトラックとエキゾチックなギターによる有元流のAORとも呼べそうな“必然”と、ODD Foot Worksとはまた違う音楽性を志向し続けている点も面白い。

榎元駿はTempalayのサポートのほか、今年結成10周年を迎えるインストバンド1inamillion(ワンインアミリオン)のメンバーとしてもその腕を振るっている。Tempalayで見せるファンキーかつサイケデリックなベースプレイ、ハードコアやマスロックなどが行き交う1inamillionでの激しいパフォーマンスなど、特定のジャンルに縛られないボーダーレスなプレイヤーとして今後さらに活躍の場を広げていくはずだ。

今年9月には1inamillionとして初のフルアルバム『POPS』のリリースも予定しているほか、〈ODD Naked〉の翌日8月5日(火)には10周年記念ライブも行われる。榎元のベースを連日浴びることができる、またとない機会となりそうだ。

ここまで各メンバーのソロワークに焦点を当ててきたが、最後に本命のODD Foot Worksの近況についても押さえておこう。まずは5月に前述した『ODD FOOT WORKS』と3rdアルバム『Master Work』(2022年)をアナログ盤でリイシュー(筆者も『ODD FOOT WORKS』を購入済み)。今年の晩夏にはニューアルバム『ODD FOOT WORKS 2』をリリース予定で、同作からの先行曲として“NO NAME DANCE”“Johnny&Ayako”が現在配信中だ。

9月にもワンマンライブ〈ODD FOOT WORKS 2 -Run-Up-〉を控えているが、今回の〈ODD Naked〉はそちらとは毛色の違う内容になるはず。サポートメンバーも含め、ODD Foot Worksがむき出しの感情で挑む特別なライブは必見だ。

 


LIVE INFORMATION
ODD Foot Works “ODD Naked”

2025年8月4日(月)ビルボードライブ東京
1stステージ
開場/開演:17:00/18:00
2ndステージ
開場/開演:20:00/21:00
https://www.billboard-live.com/tokyo/show?event_id=ev-20754

■チケット料金 ※飲食代金別
DXシート DUO:20,200円(ペア販売)
DUOシート:19,100円(ペア販売)
DXシート カウンター:10,100円
S指定席:9,000円
R指定席:7,900円
カジュアル:7,400円(1ドリンク付)

※本公演はClub BBL会員、および一般販売をWEB受付のみ実施いたします
※法人会員は電話にてご予約承ります

■メンバー
Pecori(ラップ)
有元キイチ(ギター/ボーカル)
榎元駿(ベース)
箱木駿(ドラムス)
スズキレイト(サンプラー)
成田ハネダ(パスピエ)(キーボード)
Kaya(コーラス)
mimiko(コーラス)