そのルーツから現在までのシカゴハウスの歴史を、代表的なレコードの数々で濃厚に紹介。座談会なども交え、音楽の背景なども含めて総合的にまとめたマニアックかつ画期的な一冊だ。Rolandの(当時は)安価に手に入った楽器を使って作られ、黒人ゲイカルチャーの中で熟成されたという独特な出自で、ジャックもの、ピッチを低くした喋りの挿入などの特有のスタイルを生んだ。小さなコミュニティの音楽がのちに世界的音楽シーンに大きな影響力を持ったわけだが、近年でもその影響は続いており、ジュークなども踏まえた最近のものまでしっかり網羅的に取り上げているところにこの本の特徴があると言えよう。