またしても超越的かつ圧巻の4作目。激烈なノイズと咆哮、ブラスト・ビートが爆発するグラインドコアは暴力的なまでのスピード感だ。“中卒無双”など、楽曲としてのまとまりや情緒が前作より明快な一方で、アニメ風の語りや“あのね”のようにピュアなセンティメントが暴走するなど、混沌を極めた作風はジャンクなようでいて、確固たる美意識が存在する。性と死が強烈に匂い立ち、赤裸々かつ超然とした夢咲みちるのパフォーマンスも筆舌に尽くしがたい。闇も痛みも狂気もリビドーもすべて呑み込んで、バンド表現の新たな領域へと突破し続ける、正真正銘のオリジナルな音楽だ。