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 ロイクソップの描く人懐っこくもクールなサウンドは、リスナーだけでなく数多くのアーティストを惹き付けてきた。それゆえに外仕事も引く手数多なのだが、ここではそのなかから代表的なものをいくつか紹介していこう。まず真っ先に思いつくのが女性シンガーとのマッチアップだ。フロストの『Melodica』(2003年)やアニーの『Anniemal』(2005年)、そして盟友ロビンの『Body Talk』(2010年)で見せた、各人のヴォーカルを立たせながらロイクソップのカラーをバランス良く調和していくプロデュース・ワークは非常に秀逸である。

ロビンの2010年作『Body Talk』収録曲“Dancing On My Own”

 またリミックス仕事で言うと、特にフェリックス・ダ・ハウスキャット“What Does It Feel Like?”、ピーター・ガブリエル“My Head Sounds Like That”、ストリーツ“Weak Become Heroes”の3曲がフロアで大ヒット。ドリーミーであったり、エキセントリックに攻めたり、骨太かつ哀愁のある4つ打ちにしたりと、遊び心もチラ見せする大胆さが素晴らしい。そのほか、2人がファンを公言してきたデペッシュ・モードの“Puppets”を、デペッシュらしからぬ朗らかな一曲に再構築してみたり、レディ・ガガの“Judas”を、原曲のイメージを損なうことなくさらにダンサブルにビルドアップしてしまうなど、センスやスキルを感じさせる技あり仕事もCDで容易にチェックできるので、この機会にぜひ聴いてみてもらいたい。

レディ・ガガの2011年のリミックスアルバム『Born This Way: The Remix』収録曲“Judas (Röyksopp Remix)”

 

▼関連盤を紹介

左から、ロビンの2010年作『Body Talk』(Konichiwa/Island)、2011年にリリースされたデペッシュ・モードのリミックス盤『Remixes 2: 81-11』(Mute)、2011年にリリースされたレディ・ガガのリミックス盤『Born This Way: The Remix』(KonLive/Streamline/Interscope)
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