メロディーのドリーミーなサイケ・ワールドに今日も一点の曇りもなし。約3年ぶりとなる新作はスウェーデンの異才、スヴェン・ワンダーを共同プロデューサーに招聘。時に美しく、時にアヴァンギャルドな雰囲気を湛えた弦楽アンサンブルが随所で大活躍しているのが特色で、フェティッシュさを抑制したリンジー・ディ・ポールといった表現が似合うソフト・ヴォーカルも従来以上に幻想的な没入感を形作る要となっている。印象的なのは開放的な空気の醸成されたトラックが目立つ点で、エル・マイケルズ・アフェアとコラボした牧歌的なギター・ポップ“Daisy”は典型的な一曲だろう。