いつもと違う視点や発想、少しの創意工夫によって世界は良くなる。音楽の可能性を疑わない2人が新作『EYE』に込めた曇りなきメッセージ――未来はきっと美しい!!
宇宙とか海とか
ボカロP出身のツミキとシンガー・ソングライターとしても活動するみきまりあによる2人組ユニット、NOMELON NOLEMONが2年半ぶりとなる3作目のアルバム『EYE』をリリースした。前作以降にツミキは4人組バンドのAoooを結成し、みきまりあは初のソロ・アルバム『i my PINK』を発表と、個々の活動も活発化。そうした動きの一方で、NOMELON NOLEMONとしては「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」や「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」などアニメの楽曲を手掛け、その手応えの先にフル・アルバムがあった。
「初めてアニメのタイアップをいただいて、シングル一曲一曲の強さをずっと意識して制作しました。それらの曲も今回のアルバムには入っているので、まさにこの2年半の経験が全部詰まった、すごく濃い作品になったと思います。アルバムのテーマに関して話し合いをする前から、お互い宇宙のイメージがあり、解釈は最初から一致していました」(みきまりあ)。
「全体のテーマとして、自分の半径何m以内の世界じゃなくて、宇宙とか海とか、もっと外側に開けた世界観にしたかった。それはガンダムの曲を担当したことも大きいし、そもそも自分たちは実験的なことをポップスに落とし込みたいと思っていたので、宇宙や天体、科学的なモチーフとの親和性はすごくあると思っていたんです」(ツミキ)。
NOMELON NOLEMONの音楽性は、ツミキのルーツにある90〜2000年代のバンドを背景とした歪で尖ったロックと、ボカロPでの活動で培ったプログラミングによるクラブ・ミュージックと、大きく分けて2軸があるように思うが、『EYE』の基調となっているのは後者。その背景として、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」の挿入歌としてヒットを記録した“ミッドナイト・リフレクション”の存在が大きいと言える。
「前作以降のシングルは“水光接天”を除いてエレクトロニックなサウンドだったので、アルバムも全体的にはその方向性にしたいと思ってました。“ミッドナイト・リフレクション”は疾走感を意識しつつ、やっぱりガンダムの曲なので、肉体的なものというよりは、もうちょっとメカニックなイメージがいいと思って、ドラムンベースとかジャングルにトライしようと思ったら、まりあもちょうどドラムンベースに傾倒してた時期で」(ツミキ)。
「ピンクパンサレスにすごくハマって、〈この感じを試したい〉と話した記憶があります。歌ってみたらとても新鮮で、〈これだ!〉ってなりましたね」(みきまりあ)。
4つ打ちのヴァースとバンド・サウンドのコーラスの対比がドラマティックな“シーグラス”、ベース・ミュージックからレゲトンまでさまざまなビートを一曲に詰め込んだ“ミテミテ”も、アルバム全体のクラブ・ミュージック的な色合いを象徴している。
「宇宙をモチーフにした曲が続いたので、一回逆に行ってみようと海をテーマに制作したのが“シーグラス”。海の冷たさと安心感が共存したようなものにしたくて、エレクトロの冷たさと、バンドのアナログ感をどう融合させるかを考えました。“ミテミテ”はハイパーポップっぽいサウンドを作りたいと思って、当時聴いていたアンダースコアーズやヘルプをかなり参考にしました。もともとピカソのキュビズムを意識していたので、楽曲自体もコラージュ的というか、いろんなジャンル感がごちゃ混ぜになったキメラ的な感覚があると思います」(ツミキ)。
