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浅井健一とAJICO結成、レイ・ハラカミや内橋和久との先鋭的コラボも

2000年代の内省的な作品では先鋭的なコラボレーションも多かった。2002年の“閃光”ではレイ・ハラカミがアレンジャーとして参加。アンビエントな風合いのある、静謐でしとやかな電子音によるサウンドメイクはこれまでのUAにはない斬新なものだった。2005年の6thアルバム『Breathe』では、即興演奏家として異彩を放っていた内橋和久による不可思議なトラックを乗りこなした。これらの音像もまた、UAの心象風景や抱えている観念を表現するうえで必要不可欠なものだったと言える。

UA 『Breathe』 スピードスター(2005)

このようにUA自身の気分や感情と連動しながらサウンドを移行するというアプローチは、彼女が沖縄やカナダへ移住したこととも関連付けることができる。UAにとって様々なクリエイター/アーティストとその時々で結びついていくことは、精神的な〈移住〉に近いと言えるかもしれないからだ。朝本や青柳といった深く長く繋がり合って心の基底となる人物もいれば、レイ・ハラカミや内橋といった瞬間の心模様を描くために求められた人物もいる。その両方がUAのライフスタイルやバイオリズムを投影した楽曲を作る上では欠かせないのだ。

そうした意味でも、UAにとって大胆な〈移住〉と言えるのが、BLANKEY JET CITYを解散したばかりの浅井健一とロックバンドAJICOを結成したことだ。1999年の3rdアルバム『turbo』に楽曲を提供していた浅井だが、ラジオから流れてきたUAの曲を初めて耳にした時、〈自分の中ですごくしっとりとした音楽が生まれ、この人に歌ってほしい〉と思ったという。

UA 『turbo』 スピードスター(1999)

AJICOではざらついたギターのロックナンバーやサイケデリックなサウンドを展開し、UAのキャリアにとって新たな風をもたらした。浅井の乾いた歌声に対してUAは凛とした歌声で応えており、歌唱面でも強い個性を交差させていた。

長らく活動休止状態だったAJICOだが、2021年には20年ぶりに再始動を果たし、2024年には2nd EP『ラヴの元型』をリリースするなど、より円熟味を増した艶めかしいロックナンバーでシーンを沸かせた。長い時間を経ても刺激的で緊張感のある異色のコラボレーションによるインパクトは絶大だ。

AJICO 『ラヴの元型』 スピードスター(2024)