(左から)akiko、谷中敦 

ジャズシンガーのakikoがデビュー25周年を迎えるにあたり、2026年6月21日(日)にビルボードライブ東京、6月29日(月)にビルボードライブ大阪で〈akiko 25th Anniversary〉と題した公演を行う。ここでは同公演の見どころを伝えると共に、akikoと谷中敦(東京スカパラダイスオーケストラ)から届いたコメントもお届けする。 *Mikiki編集部


 

ジャズシンガーとして自らの音楽を更新し続けてきた25年

今年6月、ジャズシンガーのakikoがデビュー25周年を迎える。これを記念したアニバーサリーライブが、東京と大阪のビルボードライブで開催される。

名門ジャズレーベル、ヴァーヴ・レコードから初の日本人女性シンガーとして鮮烈なデビューを飾った彼女は、2025年6月から自身の過去の名曲を毎月セルフカバーし、それを配信リリースするマンスリー企画をスタートさせた。そして、デビュー日当日の6月21日には、それらセルフカバーした音源をコンパイルしたニューアルバムも発売予定だという。25年という歳月を経てなお、自らの音楽を更新し続ける彼女の姿勢は決して揺るがない。

パリでレコーディングした1stアルバム『ガール・トーク』(2001年)でデビューしたakikoは、その後もロンドン、ニューヨーク、リオデジャネイロ、オスロなど世界の各都市を渡り歩きながら上質な作品を発表し続けてきた。ロイ・ハーグローヴ、アート・リンゼイ、ブッゲ・ヴェッセルトフトといった世界的ミュージシャンとも共演し、ジャズを起点にブラジル音楽、クラブミュージック、映画音楽にも挑戦してきた。純粋なジャズの文脈だけに収まらない、その自由な音楽観こそがakikoというシンガーの核心だと思う。

先にも少し触れたが、akikoが25周年を前に仕掛けたセルフカバー企画、その中身がとても面白い。セルフカバーではあるが単に歌い直すだけでなく、メロウなバラード“Do You Know?”(2002年)であれば甘く切ないラヴァーズロック風に、メランコリックなスロウジャズ“Madly”(2008年)はスカの躍動感をまとったアレンジに、さらにアート・リンゼイとブラジルで制作した“A Little Bruise”(2007年)はローファイな質感のサンバへとそれぞれ新たな解釈を加えている。

ジャズを軸に多彩な音楽と向き合ってきたakikoにとって、こうしたアレンジを一新するカバーは特定のジャンルへの執着のなさの表れか、それとも音楽そのものへの深い敬意の証か。おそらくその両方だろう。一度完成させた曲を再解釈することで、メロディや詞が持つ本来の強さがあらためて浮かび上がる。そんな彼女の知的好奇心と遊び心を、この企画を通して感じることができる。

おそらく今回の公演でもセルフカバー版のアレンジで各楽曲が披露されるはず。洗練されたビルボードライブの空間で、艶やかな歌声と生音が重なるとき、akikoの真骨頂を目撃できるはずだ。

そして本公演を語る上で欠かせない存在が、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦である。akikoとの息の合ったコラボレーションで知られる谷中が、今回も同じステージに立つ。

これまでもビルボードライブで幾度となく共演してきた2人は、akikoの楽曲だけでなくスカパラの名曲“美しく燃える森”をakikoのボーカルで披露するなど、縦横無尽なレパートリーで聴衆を魅了してきた。バリトンサックスでメロディラインを丁寧に紡ぎ、ときにはデュエット相手としてマイクを握る谷中の姿はとても貴重だ。今回はこれまでとは趣を変え、akikoのデビュー25周年を祝すためのスペシャルな構成が期待される。