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〈曲に語らせる〉ことで進化し、生まれる個性

──そんな中で今回のアルバムは、こっちが予想したよりもはるかにストレートというか、パワフルというかシンプルというか、そういう音になっていて驚かされました。このふたりならもっと屈折したドロドロの音楽になっていてもおかしくなかったけど、全然そうじゃなかったですね。

MORRIE「まさしく今、言われた通り。ストレートでシンプル。もう、それだけが僕の考えていたことです」

──じゃあ最初からそういう構想を持っていて、BAKIさんに話しかけられた。

MORRIE「いや、そんなことはないですね。曲をお互い作っていって、具体的に〈この曲はどうしよう〉って話しつつ、その曲に語らせるというか。具体的な曲に即してああだこうだ言いながら作り上げていった感じです。最初から〈こういうことをやろう〉っていう抽象的な話はなしで」

BAKI「とにかく何が起きるか、やってみなければわからない。ツインボーカルと言ってもどんな形でやるのかとかね、なかなかその完璧な到達点はわからないから。そこはもう本当に楽しみながら、一曲一曲聴いて、〈これはどうかな〉〈これをやってみよう〉ってやってたら、どんどん曲が進化していく。それでまたアレンジして、出し入れが決まって、みたいに一曲一曲が個性的にできていくので、それを楽しみながら」

──そこはメールのやりとりなんかじゃなく、実際に対面してやった。

MORRIE「もちろんです。一昨年一番会ったのはBAKIさんですから(笑)。一昨年の時点で、ほぼ全部ベーシックのトラックが出来上がってましたね。歌録りも90%は終わってました。一昨年の3月4日、僕の還暦のライブで──名前はまだGODLANDじゃなかったですけど──3曲披露してそこから作り始めて、2024年にはほぼ出来上がっていた」

 

自ら参加を申し出たSUGIZO

──それがなぜ1年以上経っての発売なんですか。

MORRIE「ははははっ!」

BAKI「ギターが入らなかったから(笑)。当初は2024年中に入れ終わる予定だったのがちょっとずれて、2025年に入ったら、SUGIZOが怒涛の忙しさになっちゃって」

──ああ、いろいろやってますもんね。

BAKI「それでほぼ1年伸びちゃった」

──SUGIZOさんに声をかけるのは、最初からおふたりの頭の中にあったんですか。

MORRIE「SUGIZOはすごく近くにいますんで、ふたりでやるっていうのを小耳に挟んで」

──あっ、自分から参加を申し出てきた。

MORRIE「そうなんです。あ、それはいい、ではよろしくお願いします、という」

──いい話です。一番意外だったのはウエノコウジの参加でした。

MORRIE「2015年のルナフェス(〈LUNATIC FEST.〉、LUNA SEA主催のフェス)にDEAD ENDで出たんですけど、その時〈KA.F.KA〉っていうバンドが出てて」

──土屋昌巳さんの。

MORRIE「そう。ISSAYとかモリケン(森岡賢)とかモトカツ(宮上元克)とか。SUGIZOもゲストで弾きましたが、そこでベースを弾いてたのがウエノ君だったんです。僕はミッシェルガン(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)は全く知らなかったんですよ。その間、アメリカに住んでたから。そのルナフェスの時の印象がすごくあって、8ビートのピック弾きのゴリゴリしたプレイの感じがいいんじゃないかと」

──ご自分が思い描いてたGODLANDのサウンドに……。

MORRIE「バッチリハマりましたね」

BAKI「何度かやってるけど、音がとにかくいいっていうか、グッとくるサウンドで、やってても安心感があるんですよ。やればやるほど、俺的には好きになっていく感じですね。湊とウエノ君とSUGIZOの演奏はやっぱすげえなと。

ただアルバムはいっぺんにみんなで演奏してるわけじゃない。段階的にレコーディングしていってるんで、ベースとドラムは一緒に録ってるけど。だけどやっぱり最終的にはみんなの個性が本当に出てる。みんなすごいプレイヤーだし、組み合わせが最高に面白いなと思うんですよ。ほかではありえないような組み合わせなんで」

──確かに。湊さんはMORRIEさんと同じDEAD ENDで長年やってきたし、BAKIさんとも何度もやってる。改めて、彼はどういうドラマーですか。

MORRIE「一言で言うならば、とにかく野獣のような反射神経のドラマー。80年代のDEAD END時代からプレイスタイルは随分変わりましたけど、そういう魅力は変わってませんね」