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単に〈ギターロック〉として扱われるのは嫌

――まさに先行シングルの“Molecular Gastronomy”では冒頭で〈テクスチャーを感じて(Feel the texture)〉と歌われていますよね。

チュンチュ「そう、私が考えていたのはデイヴ・フリッドマンのことでした。彼のサウンドにはテクスチャーが宿っている。それは楽器そのものに内包されている歪みやドライブ感を損なわないことによって生じる触感であり、『Ballad of You』はその追求のためにテープレコーダーを用いたことが何よりも重要だったんです。何というか……上手に潰れる音を探したかったんですよね。バンドとしての音が組み上がった時に格好良く潰れる音が欲しかったんです」

――なるほど。

チュンチュ「それに、ギタリストとしての目線からも、Silica Gelが単に〈ギターロックミュージック〉として扱われるのが嫌だったんです。だからハンジュが言ったように、シンセサイザーのテクスチャーがギターと調和する点を探る必要があった。そのためにはベースがコードワークの根幹を〈低音パート〉という役割から半歩出てまで担う必要があったし、ドラムにも適切なサステイン感と歪みを付与する必要があった。結果的には成功したと思います、デイヴ・フリッドマンほどではないでしょうけど……」

ハンジュ「いや、めっちゃいいよ」

ウンヒ「(日本語で)いつもありがとうございます!」

チュンチュ「(笑)。いずれにせよ、僕らはテクスチャーを通じて同じ地平に立つことができたんです」

 

テーム・インパラとMGMTは聖書

――そもそも、デイヴ・フリッドマンはみなさんのルーツとなったバンドを多数手掛けていますよね。

ウンヒ「そうなんです。テーム・インパラとMGMTは僕にとって聖書なんですよ、すべての福音はあそこに書かれています(笑)」

ハンジュ「デイヴ・フリッドマンは特に参考にしていますね。ギターでもシンセサイザーでも、彼が生み出したテクスチャーと少しでも似ていたらいいなと考えながら曲を作っています。

あと、ボン・イヴェールやチャーリーxcxとも仕事をしているBJバートンのテクスチャーも非常に参考にしています。キーボーディストという点ではジョー・ザヴィヌルも外せないですし」

――リズム隊のお2人が好きなプレイヤーは誰ですか?

ゴンジェ「ドラマーとして、僕はジャズばかり聴いていました。アリ・ホーニグの『The Painter』やカマシ・ワシントンなどですね。あと……自分のソロワークをよく聴くんです。『SETSETSET』というドラムソロの作品を実は発表していて、今でもライブがある日にはよく聴きます」

ウンヒ「僕は普通のベースプレイヤーが好きなわけではないんですよ、むしろギターのようにベースを弾く人が好きで。キング・ギザード&ザ・リザード・ウィザードのルーカス(・ハーウッド)は目立たないように素直なフレーズを弾いているので、個人的に参考にしています」

 

僕らの音楽を紹介するのに最適な手段はライブ

――“BIG VOID”のようなディスコチューンは、まさにリズムを通じてアルバムのテーゼである〈ライブでのカタルシス〉に迫るようなナンバーだと思うのですが、こうした楽曲もテクスチャーを意識したものなのでしょうか?

チュンチュ「そうなんです。ライブにおいて、観客は巨大なPAシステムを通じてサウンドを聴くことになり、耳ではなく身体全体でサウンドを感じることになりますよね。その瞬間のカタルシスは音源では得ることのできないものなんです。それは録音する上でのもどかしさでもあって、ライブと完全に同じフィーリングを与えるのは難しいと分かっていながらも音源でライブの高揚感に迫る必要があるんです。だからこそ“BIG VOID”ではエフェクターやマイキングでライブのサウンドに接近する方法を選びました」

――なるほど。〈ライブでのカタルシス〉を主題に据えた『Ballad of You』ですが、この作品を引っ提げたツアーではどんなライブを思い描いていますか?

ハンジュ「人類史的に、音楽を表現する手段はライブがスタンダードでした。レコーディング技術は発達してから間もないんです、今はまだ。なのでSilica Gelの音楽を紹介するのに最適な手段は間違いなくライブですし、その最適な手段を通じて韓国や日本の観客の方々に自分たちのサウンドを伝えられるなんて……ワクワクして頭がおかしくなりそうです。輪廻しちゃいそう(笑)」

チュンチュ「ライブで何を作り出すか、僕たちはチームの次元で考えています。今回は遥かに原始的な体験を提供できると思います。一緒に輪廻しましょう(笑)」

 


RELEASE INFORMATION

Silica Gel 『Ballad of You』 CAM/AMUSE (Less+)(2026)

リリース日:2026年8月20日(木)18:00
リリース形態:ストリーミング&ダウンロード

TRACKLIST
1. Dr. BOB
2. Melatonin 88mg
3. Crybaby
4. Molecular Gastronomy
5. Manphasickzuck
6. You Just Wanna Have Fun
7. Crime Scene
8. Metamorphosing
9. Postpink
10. Up Quark
11. BIG VOID
12. Accident

 

LIVE INFORMATION
Silica Gel Asia Tour <Syn.THE.Size: Ballad of You> in Tokyo

2026年11月21日(土)東京・渋谷 Spotify O-EAST
開場/開演:18:00/19:00
チケット:7,500円(+1 drink代)
問い合わせ:Spotify O-EAST 03-5458-4681
主催:AMUSE (Less+)
More info:https://lit.link/amuse_less

 


PROFILE: Silica Gel
Silica Gelは、大学時代に音楽への情熱で結ばれた4人によって結成されたバンドである。長年にわたり日の目を見ない時期を過ごしながらも、決して独自の音楽スタイルを妥協することなく追求し続けた。その揺るぎない姿勢が実を結び、韓国音楽シーンにおいて稀有な成功を収めるに至った。Silica Gelは、独自のサイケデリアと圧倒的なエネルギーを融合させたライブパフォーマンスを武器に、常に新たな音を創造するバンドとして確固たる地位を築いている。2015年8月にデビューし、翌2016年にリリースした初のフルアルバム『Silica Gel』は高い評価を受け、韓国大衆音楽賞にて新人賞を含む3つの賞を受賞。メンバーの兵役を経た2020年以降は、シングル“Kyo181”、“Desert Eagle”、“NO PAIN”、“Tik Tak Tok”等、新曲を発表する度にさらなる飛躍を見せ、2023年12月にセカンドアルバム『POWER ANDRE 99』をリリース。2024年度の韓国大衆音楽賞では最優秀モダンロック楽曲賞を3年連続で受賞し、今年の音楽人(ミュージシャン・オブ・ザ・イヤー)という最高の栄誉にも輝いた。これらの功績は、メンバーそれぞれの卓越した音楽的才能と、彼らの完璧なチームワークの証である。2025年、“BIG VOID”を含む2曲の新曲を発表し、独特な音楽的世界観をさらに広げ、7月に〈FUJI ROCK FESTIVAL〉へ初出演、12月には〈Syn.THE.Size X JAPAN Tour 2025〉を成功させ、〈THE FIRST TAKE〉にて日本メディア初パフォーマンスも披露した。2026年、YouTube Foundryグローバルプログラムに選出され、さらなる注目が集まっている。結成から10年以上にわたり、Silica Gelはたゆまぬ努力と情熱で独自のアイデンティティを築き上げてきた。その進化し続ける音楽は、これからも常識を覆し、新たな可能性を切り拓いていくに違いない。

■INFORMATION
オフィシャルX:https://x.com/silicagel_seoul
オフィシャルInstagram:https://www.instagram.com/silicagel.official
オフィシャルTikTok:https://www.tiktok.com/@silicagel_official
オフィシャルYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@SilicaGel