実力派のメンバーと奏でる、チャーミングで美しいモーツァルト
フルート奏者、Cocomiの通算5枚目となるアルバムは、モーツァルトのフルート四重奏曲全集。フルートと3本の弦楽器が作り出すアンサンブルの美しさと愉しさがいっぱいに詰まっている。
「クラシック音楽を聴き始めて、フルートという楽器に興味を持ち始めたという方にまず聴いてほしいですね。第1番から第4番まで調も違うし、それによってキャラクターもみんな違います。ヴァイオリン、ヴィオラとチェロが各1本という少ない編成と共演する中で、フルートが織りなすいろいろな役割をそれぞれの作品で味わっていただきたいです」
共演者には若手実力派を揃えた。
「ヴィオラの中さんとはプライベートでも仲良しですが、共演するのは初めてです。アマービレ弦楽四重奏団のメンバーで、演奏会を何度も聴かせていただいていますが、カルテットでやっているからこそのバランス感覚の良さがあるし、優しくてピュアな音色がモーツァルトにピッタリかなと思いました。チェロの矢部さんは一昨年のアルバム『Neos』で共演した時からとても楽しくて、音色も美しいので今度もぜひ、と。ヴァイオリンの東さんとは大学1年の1年間、一緒にアンサンブルを組んで勉強していた仲です」
日本全国で協奏曲や室内楽など、多くの演奏活動をこなすCocomiだが、前回までのアルバムとはひと味違う音色を獲得しており、よりチャーミングな演奏を聴かせてくれている。
「いろいろな演奏家の皆さんと共演させていただいているうちに、モーツァルトにはもっと芯やパワーがあって、でもスイートでキュートでもある音色が必要だと思って、吹き方を一から変えたんです。アーティキュレーションも、自然な流れをもって表現するのが難しかったです」
サブスクなどでひとつの楽章だけが聴かれることも多くなっている。
「それでもいいけれど1曲でもいいので全部の楽章を続けて聴いてほしいと思います。クラシックは曲が長いから難しいかもしれないけど(笑)全部を通して聴くことで、楽章ごとに移り変わる曲の特性を感じ取れますから。もちろんしんみりしたい気分の時には第1番の第2楽章だけとかでもいいですが、〈ちゃんと聴こうかな〉と思った時にはぜひ全部を」
どれか1つと言われたら、ソロ回しがあるのでみんなのキャラクターがわかりやすい第4番の第1楽章か、有名な第1番の第1楽章というCocomi。何回聴いても飽きの来ないアルバムを作れたと自信をのぞかせてくれた。
