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カヴァー曲のセンスも光る、注目のベーシスト/ヴォーカリストの新作

 23年に小曽根真プロデュースによる『Kurena』で華々しいデビューを飾った石川紅奈。セルフ・プロデュースでの新作『Garden』は、前作に引き続き名門ヴァーヴからのリリースだ。ウッドベースを弾きながら歌うそのスタイルは、エスペランサなどと比較されることもしばしば。彼女の音楽を聴いてまず思ったのも、このベースラインは歌う人ならではのものだな、ということだった。

 「ポール・マッカートニーもそうですが、歌う人のベースラインは面白いものが多くて、すごく好きですね。サンダーキャットもミシェル・ンデゲオチェロもそう。実際、私も歌い始めてからベースラインが変わりました。ベースのアプローチが変わったという実感もあります」

石川紅奈 『Garden』 Verve/ユニバーサル(2026)

 新作は70年代ソウルとブラジル音楽の要素が前作以上に濃厚。石川のベースはアタックが強く、パンデイロ、ボンゴ、コンガ、ジェンベなどの打楽器類も入っているため、パーカッシヴな印象を受ける。また、多くの曲がライヴのレパートリーでもあり、メンバーもライヴとほぼ同様だそうだ。気のおけない仲間とリラックスして作った空気が伝わってくる。

 「前作が出てから、ライヴは月1ぐらいでやっていて、メンバーの皆さんが曲をよく理解してくれているので、レコーディングもスムーズにいきました。ライヴとはアレンジを変えた曲もあって、“Les Fleurs”なんかがそう。元々パーカッションとベース/ヴォーカルのデュオでライヴをやったことがあって、和音がないのでシックになっちゃうかなって思ってたのですが、Kanくんのパーカッションのアレンジも素晴らしくて実現できたデュオ・アレンジでした。そこに録音ではハープが加わり更にカラフルになりました」

 新作では、ミニー・リパートン“Les Fleurs”、ロイ・エアーズ“Searching”、フローラ・プリム(作曲はチック・コリア)“Time’s Lie”のカヴァーを収録。2021年にマイケル・ジャクソンの“Off The Wall”をベース弾き語りでカヴァーした動画がYouTubeでバズり、現在280万回以上再生に達した彼女。カヴァーのセンスも抜群だ。

 「普段からコピーをよくするんです。好きな曲のメロディを歌いながらベースを一緒に弾いたりして、こういう風に歌ったら面白いかもとか、このリフが合うかもとか考えます。リフがすごく好きなので、作って貯めてあって、それをくっつけたりする場合もありますし。原曲とカヴァーの違いも楽しんでもらえたらと思います」

 


LIVE INFORMATION
Kurena Ishikawa “Garden” Release Tour

2026年10月23日(金)愛知 名古屋市千種文化小劇場(ちくさ座)
2026年11月13日(金)宮城・仙台 LIVE RESTAURANT J’Z
https://www.kurenaishikawa.com/live/2026