〈NO MUSIC, NO LIFE.〉――1996年にこの言葉がタワーレコードのコーポレートボイス(広告キャンペーン)として誕生してから、今年で30周年を迎えた。時代の流れとともに生活も音楽も変化していくなか、この言葉は30年もの間、変わらずに音楽を愛する人たちを見守ってきた。

そんな〈NO MUSIC, NO LIFE.〉の誕生30周年を祝して、タワーレコードが新たなライブシリーズ、〈TOWER RECORDS “NO MUSIC, NO LIFE.” presents UNFRAMED — 30th Anniversary Live Series —〉(以下、〈UNFRAMED〉)をスタートさせた。ここでは10月4日にZepp Sapporoにて開催された札幌公演のレポートをお届けする。 *Mikiki編集部


 

圧倒的な存在感を見せつけたOddRe:、地元札幌で躍動したメリクレット

まずは四つ打ちのエレクトロニックなSEが流れるなか、オープニングアクトのメリクレットが登場。SEの中盤からバンドセッションも兼ねて演奏がスタートすると、そのまま“あしたのごちそう”へ。〈UNFRAMED〉の記念すべきトップバッターとあって多少硬さが見えてもしょうがないと思っていたが、そもそもここは彼らの地元である札幌。オーディエンスも味方につけ、ライブがスタートした瞬間から会場中がまるでホームのようなムードに包まれていた。

「北海道札幌市のバンド、メリクレットです! 早速ですがタオルを使う曲やるんで、ある人はタオル出してください!」とレニア(ギター)の煽りを受けて始まった“ネガ・リセット!”で、さらに会場のボルテージが上がる。オーディエンスが勢いよくタオルを回す光景は、さながら野外フェスのようだ。また、ハンドマイクで曲のポップネスを体現するちぺ(ボーカル/ギター)の姿を見て、フロントマンとはこうあるべきだよなとも強く感じた。

ラストは、観客のハンドクラップを引き出した疾走感のあるポップチューン“葵月だって泡沫”で締め括ったメリクレット。自分たちの音楽とパフォーマンスがZeppサイズでも通用することをしっかりと証明した、見事なステージだった。

メリクレットのステージで溜まった会場の熱を冷ますまいと、続くOddRe:も頭から骨太なグラムロックナンバー“東京ゴッドストリートボーイズ”を投下する。真っ赤な照明に照らされたAirA(ボーカル)、ユウキ サダ(ベース/ボーカル)、SOI ANFIVER(ギター/コンポーザー/トラックメイカー)の3人は、まさに2020年代のロックスターのようなオーラを纏っていた。

この日のOddRe:はとても緩急が効いていて、楽曲の魅力を丁寧に伝えるステージングだったように思う。それを象徴していたのが、アッパーな“東京ゴッドストリートボーイズ”に続いて披露された“睡る君”と“黄泉還”。どちらもノスタルジックなメロディに乗せてしっかりと歌を聴かせるミドルチューンで、ここで会場全体が一旦落ち着きを取り戻す。そして次の“FEVER TIME”で再び観客のテンションをぶち上げていくのだ。ライブの主導権をがっちりと握りながら、観客とともにOddRe:流のライブを作り上げていく構成は実に見事だった。

3人それぞれのキャラクターが垣間見られたMCを挟み、シンガロングを誘うピースフルなナンバー“ai my me”からEDM調にアレンジされた“CRASH OUT!!!”へとシームレスに繋ぐ流れでクライマックスに持ち込むと、今年3月にタワーレコード限定でCDリリースしたハードロック曲“Revival”でオーディエンスの興奮はピークに達した。30分強のステージだったが、OddRe:の存在感と音楽性はZepp Sapporoに集まった観客たちに間違いなく伝わったはずだ。

 

Aoooと名誉伝説は盤石のセトリで貫禄のあるパフォーマンスを披露

ウィリアム・ベル“You Don’t Miss Your Water”が流れるなかステージに登場した名誉伝説は、ウエスタン風のサウンドが新鮮な恋愛ソング“シャバイライ”で1曲目から一気に場を盛り上げる。こたに(ボーカル)の「札幌、遊ぶ準備できてますかー?」という問いかけにオーディエンスも声や身振り手振りで応えていて、その熱量を維持したまま“共犯者”へとなだれ込んでいく。けっさく(ギター)のソリッドなストロークが描き出す妖しい世界観と、こたにの人懐っこい歌声。音源だけでなく、ライブにおいても2人の特別な化学反応は健在だ。

まもなくリリースのメジャーデビューアルバムに収録されるラテンポップな“新女神”もすでにライブのキラーチューンとなっていて、掛け合いの部分ではしっかり観客側とコミュニケーションを取る場面も。また、「きっとここにいるみんなも日常に音楽が欠かせなくて、音楽に何か救われた瞬間があると思います。なので、今日はみんなが音楽があって良かったなって思える瞬間を作れるような、いいライブにしたいと思います」という〈NO MUSIC, NO LIFE.〉と共鳴したこたにのMCも、とても印象的だった。

その後も2人は愛らしい表現をキャッチーなメロディに乗せた1stシングル“ラヴィング”、ファンキーなベースがクセになる“ギューアグ”などバンドの様々な表情を見せていく。最後は今やアンセムと化した“ルビを振れ”と“プロポーズ文句”で締め、まさに磐石のセットリストを披露してくれた名誉伝説。MCは最小限に、持ち時間のなかでひたすら音楽を届けることに全力を注いだステージだった。

この日のトリを務めたAoooは、「こんばんは、Aoooです! Zepp Sapporo、最後までヨロシク!」と石野理子(ボーカル)の威勢のよい挨拶を合図に“サラダボウル”からスタート。オーディエンスもここまで3組のライブを堪能して多少疲弊しているのではないかと思っていたが、ほぼ全員がハンズアップして熱狂の様をバンドへ伝えている。そんな観客からの熱い思いに応えるかのように、Aoooも“BAQN”“ネオワビシイ”と立て続けにアップナンバーを届けた。

途中のMCでは、9月に〈NO MUSIC, NO LIFE.〉のポスターに登場したことをしっかり宣伝しつつ、すりぃ(ギター)のギターソロも見せ場な“クエスチョン”、やまもとひかる(ベース)とツミキ(ドラムス)のダンサブルかつグルーヴィなビートが映えるポップチューン“DAYS!”と、Aoooの多彩な音楽性を感じられる楽曲を次々とプレイしていった。

石野もギターを抱えて演奏に加わったライブ終盤は、“Portrait”“水中少女”などセンチメンタルなメロディが耳に残る楽曲が並ぶ。そして「皆さんの今日イチの声を聴かせてください!」「飛べるかー!?」と煽り、会場全体が実際に大きく揺れた“Yankeee”で〈UNFRAMED〉の札幌公演は大団円を迎えた。まだ結成から3年余りしか経っていないAooo、そのパフォーマンスはすでに貫禄すら感じられるものだった。

 

4組が体現した〈UNFRAMED〉の精神

ライブ終了後は、Aooo、OddRe:、名誉伝説、メリクレットを再びステージに迎え入れて全員で記念撮影。4組とも特定のジャンルに縛られることなく、常に自分たちがカテゴライズされる枠組みや固定観念を打ち破ろうと日々進化している。この日4組が体現した〈UNFRAMED〉の精神は、次なる地でもきっと目にすることができるだろう。

 


SETLIST
■メリクリット
1. あしたのごちそう
2. ネガ・リセット!
3. idiocracy
4. 葵月だって泡沫

■OddRe:
1. 東京ゴッドストリートボーイズ
2. 睡る君
3. 黄泉還
4. FEVER TIME
5. shiori
6. ai my me
7. CRASH OUT!!!
8, Revival

■名誉伝説
1. シャバイライ
2. 共犯者
3. 新女神
4. ラヴィング
5. What is ×?
6. トランスファー
7. ギューアグ
8. ルビを振れ
9. プロポーズ文句

■Aooo
1. サラダボウル
2. BAQN
3. ネオワビシイ
4. クエスチョン
5. DAYS!
6. ブルーライド
7. CRAZZZY
8. Portrait
9. 水中少女
10. ポラリス
11. Yankeee

 


LIVE INFORMATION
TOWER RECORDS “NO MUSIC, NO LIFE.” presents UNFRAMED
— 30th Anniversary Live Series —

2026年11月20日(金)福岡 Zepp Fukuoka
開場/開演:17:30/18:30
出演:10-FEET/MAN WITH A MISSION/ジ・エンプティ(O.A.)

■チケット
1F全自由(整理番号付き):5,500円(税込)
2F指定席:6,500円(税込)
※ドリンク代別
※6歳以上有料

2027年1月24日(日)大阪・桜島 Zepp Osaka Bayside
出演者:後日発表

2027年2月21日(日)東京・羽田 Zepp Haneda (TOKYO)
出演者:後日発表

※その他の公演については、後日詳細を発表します

〈UNFRAMED〉特設サイト:https://nomusicnolife.jp/special/unframed2026/