全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論神聖かまってちゃんクリープハイプceroKANA-BOON、洋楽ではストライプスチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は1月度の洋楽編です!!

※2015年2月度のタワレコメンも決定! 詳細はこちらでご確認をどうぞ!

★Mikikiの〈タワレコメン〉関連記事の一覧はこちら
★TOWER RECORDS ONLINEの〈タワレコメン〉特設ページはこちら
★TOWER RECORDS ONLINEの〈タワレコメン〉連載記事の一覧はこちら

 


 

 

タワーレコードの本社にて行われるタワレコメンの会議。今回も音楽通のスタッフたちが〈これぞ!〉というオススメ作品を持ち寄り、タワレコメンの狭き門を通過するための熱いプレゼンを繰り広げました。何百タイトルという新譜のなかから候補作に挙がったのは……!?

「派手さには欠けるかもしれないけれど、聴いてさえもらえれば反響があると確信しています!」というスタッフの真摯なコメントで紹介されたのは、早耳さんたちの間ではライアン・ヘムズワースとの楽曲“Too Long Here”も記憶に新しい注目のシンガー・ソングライター、アレックス・Gのアルバム『DSU』。昨夏に配信でリリースされていた作品のフィジカル版ですが、当初からエリオット・スミスヨ・ラ・テンゴあたりを彷彿とさせる歌心でUSインディー好き以外からも賞賛が寄せられていた一枚です。“Hollow”は名曲!

 

続いて、「2015年の大本命!」という大風呂敷もまったく違和感のないUK発クリエイター、クリス・ウォードによるトロピックスのセカンド・アルバム『Rapture』が登場。2011年にチルウェイヴ界隈から飛び出した初作『Parodia Flare』は一部の店舗でスマッシュ・ヒットを記録したとのことですが、ライらを擁するイノヴェイティヴ・レジャーから届けられる本作はさらに凄いことに。ポスト・ダブステップインディーR&B的な流れを前提としながら、ジェイムズ・ブレイクトロ・イ・モワの諸作にも引けを取らないクオリティーの注目盤です!

 

次は、UKのケンブリッジから現れた新世代のガールズ・アイコン、チャーリー・XCXのニュー・アルバム『Sucker』。アイコナ・ポップ“I Love It”やイギー・アゼリア“Fancy”といったヒット曲のフィーチャリングで名前を売った彼女は、一度聴いただけで歌えちゃう激キラーな先行カット“Boom Clap”がUS/UKをはじめとする各国のチャートに食い込み、昨夏には〈SUMMER SONIC〉でパフォーマンスを披露。そんなスター街道まっしぐらなタイミングで放たれた本作、聴き逃せません!

 

「リリースからは時間が経過していますが、プッシュするならいま!」という熱い推薦コメントで紹介されたのは、サム・スミスに続く存在として期待されているアイルランドのシンガー・ソングライター、ホージアのデビュー・アルバム『Hozier』。コクのあるブルージーな歌唱が沁みる“Take Me To Church”がUSチャートを駆け上っただけでなく、第57回グラミー賞の年間最優秀楽曲部門にもノミネート。そう、まさに〈いま〉チェックするべき一枚!

 

ここで会議室の雰囲気をキラキラのサウンドで塗り替えたのは、ブルックリン発のインディー・ロック・バンド、レイト・カンブリアンのサード・アルバム『Golden Time』。ウィーザーを筆頭とするパワー・ポップが好きなファンの間では高い評価を集めていた彼らですが、前作からトライしていたシンセのアプローチを見事にモノにしたことで、担当者曰く「フェニックス1975好きも唸らせること必至」な傑作に。キャッチ―で疾走感溢れるナンバーの数々がクセになりそう!

 

続いては、古くはオートクレイヴ、現在はスリーター・キニーキャリー・ブラウンスタインワイルド・フラッグで活躍するなど(その間にも色々あるわけで……)、まさにUSオルタナ界に欠かせない存在として知られるメアリー・ティモニー女史が率いるガールズ・トリオ、エックス・ヘックスのデビュー作『Rips』。リリースは信頼と実績のマージから。骨太でソリッド、でもやっぱりキュートなロックンロールは、NMEの2014年の年間ベストでも5位に選出。ハズすわけないオススメ盤です!

 

そしてラストは「あまりに有名なのでエントリーしなかったけど、どうしてもプッシュしたい内容なので」とまさかの飛び入り参加となった、マーク・ロンソンの新作『Uptown Special』。Mikikiのトピックスでも取り上げた本作は、ブルーノ・マーズをフィーチャーしたヒット曲“Uptown Funk”を筆頭に、スティーヴィー・ワンダーテイム・インパラケヴィン・パーカーらゲスト陣も豪華で、AORブルーアイド・ソウルブギーを自在に行き来するリッチなサウンドで磨かれた楽曲ばかりの2015年上半期重要作。敏腕プロデューサーの才能が遺憾なく発揮された充実の内容に、多くのスタッフが推薦者と同じ葛藤を感じていた模様でした(笑)!

 

ということで、最後に予想外の展開も挟みつつ、今回も各スタッフがオススメ盤の良さをプレゼンしあったタワレコメン会議。そんな熱戦を多数決で制して選ばれたのは……!?