バーゼル・ハイドン協会の主導により、アントニーニがイル・ジャルディーノ・アルモニコとバーゼル室内管弦楽団を振り分け、ハイドン生誕300年の2032年に彼の交響曲全107曲録音完成を目指す壮大なプロジェクトの第1巻。受難、情熱を意味する「ラ・パッショーネ」という副題が付いている。まずイル・ジャルディーノ・アルモニコの文字通り疾風怒濤の演奏が鮮烈だ。ここでは確かな時代考証、高度な演奏技術、吹き上がるような創意が高い次元で結びついている。同時代のグルック作品を配して様式の近似を示した選曲、解説書冒頭10ページを言葉の無い写真だけとしアルバム・コンセプトを表現したセンスも秀逸。
GIOVANNI ANTONINI、IL GIARDINO ARMONICO 『ハイドン:交響曲 第1番、第39番、第49番 グルック:バレエ音楽〈石像の宴〉』
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