コラム

カヴァー曲を辿れば音楽性が見えてくる!? MERRY流ミクスチャーの背景にあるもの

MERRY 『NOnsenSe MARkeT』 Part.2

MERRYって何だろうって、それを探しながらバンドを続けているところはあるかもしれない」――これは、2012年のベスト盤『MERRY VERY BEST~白い羊/黒い羊~』のリリース時に行われたインタヴューにおけるガラの発言だが、新作『NOnsenSe MARkeT』では4つ打ちのダンス・ロックやアイリッシュ・パンクも〈エログロナンセンス〉に取り込むなど、彼らのサウンドを一言で表現するのはなかなか難しい。……が、ここでヒントになるのは彼らがライヴやトリビュート盤などで時折披露するカヴァー曲。冒頭と同じ取材の場において、結生はこうも語っている。「トリビュートしたアーティストを全部足して割ったら、ちょっとMERRYに近付くような」――そんなわけで、ここでは彼らによるカヴァー曲を通じて、MERRYの音楽性の一端を覗いてみよう。

 まずは、今回の『NOnsenSe MARkeT』であれば“Hide-and-seek”あたりが象徴的であろう、〈昭和のやさぐれた歌謡テイスト〉の方面でピックアップすると、この11月に開催されたアルバムのショウケース・ツアーでもセットリストに組み込まれた青江三奈の“伊勢佐木町ブルース”。さらに今年のガラの誕生日記念公演では森高千里の“雨”、西野カナの“会いたくて 会いたくて”、中島みゆきの“ファイト!”も俎上に乗っており、これらからは〈哀愁を帯びた歌心〉を共通項として見い出すことができるだろう。

【参考音源】青江三奈の68年のシングル“伊勢佐木町ブルース”

 

【参考動画】西野カナの2010年のシングル “会いたくて 会いたくて”

 

 続いて〈パンキッシュな衝動〉と〈滑稽さと背中合わせの辛辣さ〉という面に目を向けると、上述のショウケース・ツアーではLUNA SEAの“PRECIOUS...”、ブルーハーツの“皆殺しのメロディー”、DIR EN GREYの“Schweinの椅子”、BUCK-TICKの“悪の華”、遠藤ミチロウMichiro, Get the Help!)の“オデッセイ・1985・SEX”……と、こちらはほぼ、実際トリビュート盤にも参加して音源化されてもいるラインナップ。他にもパンテラの“Strength Beyond Strength”など、ネイキッドな80sパンクや90sのヴィジュアル系~オルタナティヴ・メタルを中心に、ミクスチャーにもほどがある折衷ぶりの源を垣間見ることができる。

 文字数の都合で割愛するが、ステージ上での共演が呼んだカヴァーなど、他にもまだまだトピックが……。それらを辿っていけばもしかして、MERRYの基盤と今後の方向性をより深く読み取ることができるかも!?

【参考動画】遠藤ミチロウ(Michiro, Get the Help!)の85年作
『オデッセイ・1985・SEX』収録曲“オデッセイ・1985・SEX”

 

【参考音源】パンテラの94年作『Far Beyond Driven』収録曲
“Strength Beyond Strength”

 

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