シドのベーシストである明希が、ソロ・アーティスト〈AKi〉として本格始動! ファースト・アルバム『ARISE』をタワーレコード限定でリリースすることとなった。バンドではソングライターとして作曲も行うAKiだが、本作ではベースと作曲はもちろん、全楽曲の作詞も手掛け、さらにみずからマイクを握ってヴォーカルを担当。シド本隊の音楽性からイメージすると、歌謡性の高いキャッチーな楽曲を思い浮かべる人も多いだろうが、ここで彼が鳴らしているのは、荒々しくラウドで、豪快に相手をねじ伏せていく、どこまでもストレートなロック・サウンドだ。
〈正体不明のニュー・アーティスト〉として、自身の名前を公表せずに先行配信した全編英語詞の“FREAK SHOW”では、重心低めでグルーヴィーに煽り、“Be Free”ではフー・ファイターズばりの骨太なサウンドで襲いかかる。ボトルネック・ギターとEDMライクなシンセ・リフで幻惑的な音世界を作り出した“LOOP”や、アコースティック・ギターとAKiの熱を帯びた歌声のみで構成されたバラード“pray”などミディアムも充実。さらに、ステージを縦横無尽に暴れ回る彼のパフォーマンスを彷彿とさせる、セクシーかつワイルドなアッパー・チューン“ミッドナイト/狂騒/DARLING:”といった、AKiのロックに対する飽くなき探究心と、ピュアな衝動に満ち満ちた全11曲を収録している。
ゲスト・ミュージシャンには、GLAYのサポートでも知られるToshi Nagaiや、ACE OF SPADESなどで活動してきた宮上元克(THE MAD CAPSULE MARKETS)という二人のドラマーに加え、ギターに加藤貴之(兎-usagi-)、そして所属事務所の先輩でもあるミヤ(MUCC)という強力なメンバーが参加。彼らの演奏が楽曲をエネルギッシュなものにしている。
そのように収録曲のどれもが、シドで彼が生み出すサウンドと異なるエッジーな手触りだが、いずれも実にメロディアス。それは彼がシドでもいかんなく発揮している部分であり、多くのファンの心をしっかりと掴むメロディーを生み出すソングライターとしての資質や特性が、本作で改めて浮き彫りになったと言えるだろう。
2月3日にはソロとしてのファースト・ライヴも決定し、ここからAKiがどんな展開を仕掛けていくか気になるところだが、まずは彼のなかにあるロックへの情熱をフル解放した初のソロ・アイテムを、思う存分堪能したい。