デビュー以降、休む間もなくリリース&ライヴ活動を繰り広げ、2周年を迎えた彼ら。これまでに築いてきたメンバー間の信頼性が良い形で結実し、バンドのサウンドに磨きがかかったニュー・シングルが登場!
この4月に結成&デビュー2周年を迎えた4人組、DIV(ダイヴ)。わずか2年の活動歴ながら、その密度たるや相当濃い。2012年のファースト・ミニ・アルバム『無題のドキュメント』以来、2~3か月おきにシングル/アルバムをリリースし、もちろんその間は楽曲制作やツアーを行うというハードなスケジュールをこなしていた彼ら。しかしそんな忙しなさに翻弄されることなく、作品ごとに自身のサウンドを開拓し、多くのリスナーを獲得していった。今回リリースされるシングル“漂流彼女”もまた、カップリングの2曲(通常盤のみ収録)も含めてバンドのサウンドをさらに磨き上げたナンバーとなっている。メンバー自身も成長を実感しているというバンドのいまを映した本作について、4人に話を訊いた。
最近は楽曲に対して試行錯誤する余裕がある
――ちょうどデビュー2周年となりましたが、この2年はかなり濃厚な時間だったと思います。振り返ってみていかがですか?
CHISA(ヴォーカル)「4人での曲作りも慣れたというか、誰がどういうアプローチをしてくるかというのをみんなが共有できているので、ストレスなく進められるようになりましたね。なので最近は楽曲に対して多少は試行錯誤する余裕がある」
――作曲クレジットはバンド名義になっていますが、全員が作曲を手掛けているんですね。
CHISA「そうですね、各々デモは常に作っています。クレジットをバンド名義にしているのは、プリプロやアレンジが半分曲作りって感じだから。アレンジにかなり時間をかけているんです。僕らは始動したときからそうなんですが、良い曲が出来たからリリースするというのではなく、先のリリースまで流れを考えているので、どのような順番で曲を出したらハマるかを考えながら作っていますね。一作品出したときにはすでに次の曲が出来ているような状況で進めています」

――曲作りのうえで心掛けていることは?
CHISA「〈こういう音楽しかやらない〉というのは考えていないです。あと〈こんなテイストの曲にしたいね〉というのがあったら、それをより本格的なものにするようなアレンジを心掛けています。でも一貫して曲として聴きやすいもの、というのは意識していますね。聴きやすいものにするために、演奏やヴォーカルで工夫したり」
――その際、他のアーティストを参照することもあるんでしょうか?
CHISA「しますよ。曲自体もそうだし、もちろん楽器単位で参照することも」
――ところで、皆さんはどういう音楽がお好きなんですか?
ちょび(ベース)「僕はエモばっかり聴いてます。タワレコ新宿店のエモ・コーナーに並んでいるもののセンスがとてもいいので、この間も端から試聴してまとめて買いました(笑)。でも昔のJ-Popも好きなんです。中西保志の“最後の雨”とかiPodに入ってますし(笑)」

CHISA「僕もいろいろ聴くんですが、好きで聴くのはデジタル寄りですね。結成当初はチップ・チューンにハマってて、最初のミニ・アルバム(『無題のドキュメント』)のSEはチップ・チューンにしましたし。どちらかと言えばインストのほうがいいんです。本をよく読むので、読書しながら歌ものを聴くとその歌に耳が行っちゃう。いま人気のあるものは聴くようにしていて、最近はスクリレックスとかのEDM系とかダブステップをよく聴きます。あとザイレントっていうのがなかでもお気に入りで、ダブステップとドラムンベースが混ざったような感じなんですけど、独特の清涼感がある。あと、昔の曲を聴くにしても、どうしてこの曲は残っているのかを考えながら聴いたりとか」
ザイレントの2012年のシングル“Boss Wave”
――時を経ても残る曲の方程式みたいなのは見つかりました?
CHISA「サビよりも出だしにインパクトがあることに気付きました! 歌い出しのほうが有名な曲が多いなと。それこそ山下達郎さんの“クリスマス・イブ”とか」
――なるほど。そういうことをDIVの曲作りでも意識するようになりましたか?
CHISA「そうですね、上手く採り入れられれば残る曲が作れるかなというのは考えますね」
――確かに歌い出しにインパクトのある曲は多いかもしれません……。では将吾さんは?
将吾(ギター)「最近MAN WITH A MISSIONのCDを買いました。聴いているのは邦楽ばっかりで、パンク~ハードコア系が多いです。最初にバンドをやろうと思ったのは事務所の先輩のL’Arc~en~Cielがきっかけだったんですが、その後Dragon Ash~RIZEを聴くようになって、そっちの方向に行った感じ」
MAN WITH A MISSIONの2014年作『Tales of Purefly』収録曲“evils fall”
satoshi(ドラムス)「僕は趣味ではマルーン5とL’Arc~en~Cielしか聴きません。ハタチからはその2つしか聴いてないんです」
――えっ! そうなんですか!?
satoshi「でも勉強の意味で最近よく聴いてるのは、ラルクのyukihiroさんがやっているgeek sleep sheep。ああいうバンドでyukihiroさんがどういうドラムを叩くのかという興味があって。それから、コーンのドラマー(レイ・ルジアー)が新たに組んだKXMを練習のためによく聴いていますね。あと、ドリーム・シアターのドラマー(マイク・ポートノイ)が組んでいたリキッド・テンション・エクスペリメントもよく聴いていました。このバンドのフレージングはDIVでも使ったり。いまや研究のために音楽を聴くほうが多いです」
リキッド・テンション・エクスペリメントの2008年のライヴ映像
――なるほど、そういうことでしたか。L’Arc~en~Cielの名前がお2人から出ましたが、同じく事務所の先輩、シドの“妄想日記”を以前カヴァーされていましたよね。この曲はとてもDIVらしいリアレンジがなされていたと思います。
CHISA「アレンジは自由にやらせてもらいました。Bメロにダブステップを採り入れたりとか。これを聴いてDIVを好きになったという人も多いんですよ」
satoshi「ほんと、DIVらしさが出たよね」
将吾「ギターもエモのフレーズを無理やり入れたりして(笑)」
――将吾さんのギター・ソロはすごく耳に残るものが多い気がします。
将吾「あまり難しいことはやらずに、でもカッコ良くて耳に残るものをテーマにしていつもフレーズを作っています。言い方によっては俺っぽい、悪く言えば毎回同じ的な(笑)」
――でもそれが〈将吾印〉ということでは?
将吾「そうです、そうです」
【参考動画】DIVの2013年のシングル“妄想日記”
本当の意味で愛される曲を作りたい
――では、ニュー・シングル“漂流少女”についてお話を伺いたいと思います。先ほども、先々のリリースを考えて楽曲を発表しているとおっしゃっていましたが、今回はどのような作品イメージなのでしょうか?
CHISA「結成当時からバンド・サウンドとエレクトロニクスの融合をやってきて、2枚同時リリースした前シングル(“BUTTERFLY DREAMER”“you”)がバンド・サウンド色の強いものだったので、今回はデジタル色の強いものをと。なおかつ、いままでシングルの表題曲はキャッチーなものじゃなくちゃいけないと思っていて……とはいえバンドのなかでキャッチーさの許容範囲みたいなのはあったんですが、今回は前作2枚、そしてまたこの次にリリースするものとの対比が大きくなるように、あまり〈キャッチー〉というところを意識しすぎずに作りました」
DIVの2014年のシングル“BUTTEFLY DREAMER”
――“漂流少女”はエレクトロニクスの清涼感がすごく効いてますね。
CHISA「この原曲は僕が作ったんですが、空間系のドラムンベースとバンド・サウンドを混ぜたものをテーマにしました。ドラムンベースといってもダブステップの影響を受けたような、キックとスネアのエッジが効いたものにしたくて。突き詰めてアレンジすればするほど、これまでの自分たちにはない感じに、こういうことをやってるバンドはいないんじゃないかというものが出来ましたね」
将吾「ギターはエモとはかけ離れた、R&Bやボサノヴァで出てくるようなフレーズにテンションを足したコードをエレキで歪ませて弾いたりしました。それで雰囲気を出したというか」

――ほ~! 確かにそういう感じ。おもしろいアイデアですね。
ちょび「ギターがそういうお洒落なフレーズを弾いているので、ベースもお洒落な雰囲気を出しました。DIVのなかでいちばん難しいというか、いちばんベースが動く曲なんですよ」
将吾「半音の嵐やからね」
ちょび「そうだね、ライヴのために猛練習中です(笑)」
satoshi「ドラムはシーケンスが多いので、すごくソリッドに仕上げました。周りの潤滑油となるようなフレーズを選んで。ヴォーカルの乗っていないオケだけ聴くとなんとも言えない空気感があって、全然印象が違うんです。そのオケにCHISAくんのヴォーカルが乗ると、こういう新しいロックになるというのが本当におもしろい」
――なるほど。耳触りは心地良いけど、それだけじゃない何かがあるところが素敵ですよね。では、2曲目の“Cocktail Color”ですが、この曲以降、これまで以上にスクリーモ/メタルコア色が濃くなっていくのも今回の特徴だと思います。そこにあって“Cocktail Color”はサウンド的にもちょうど“漂流彼女”と3曲目の“hungry soul”の間っていう感じですね。
CHISA「そうですね、これも原曲は僕が作っているんですが、洋楽チックなものにしたくて。冒頭のメロディーをサビになり得るぐらい効かせた曲にしたかったんです。なおかつエモ~スクリーモ、メタルコアっぽい曲をこれまでちょいちょいやってきたなかで、最近より〈本物〉っぽくできるようになってきたという自負があります」
将吾「遠慮しなくなったよね」
CHISA「ギターの機材もそういう音を鳴らすのにバッチリで、ドラムもそれに見合う音量になってきたこともあって、よりそっちに振り切ったものにしようかなと。でも聴きやすさはあるように。サビもメロディーだけ聴くとキャッチーなんですけど、オケがそれだけに留まらせないというか」
将吾「ぜひギターやドラムのサウンドを本物の人と比べてほしい」
satoshi「そうですね、フレージングもCrossfaithを思わせるというか、こんなにハードコアっぽいハードコアをやってるヴィジュアル系っていま僕らだけだと思うんで、ぜひそちらのファンの人にも一度聴いてもらって、もしお気に召すようであれば応援していただきたい(笑)」
Crossfaithの2013年作『APOCALYZE』収録曲“The Evolution”
――なんて謙虚な(笑)。でも本当にそうですよね。そして最後の“hungry soul”は通じてスクリーム多めのメタルコア曲になっています。これは将吾さんとちょびさんもヴォーカルを取っているとか。
将吾「そうです。原曲は僕が作ったんですが、激しいやつが降りてきまして、全編スクリームが欲しかった。でもサビのメロディーも欲しいということで、俺歌おうかな~と。スクリームがCHISAで、サビのメイン・メロディーが僕、コーラスがちょびです」
――歌ってみていかがでしたか?
将吾「ギターのほうが簡単ですよ。ギターはチューニングが合ってて、弦を押さえて弾けば音が出る。でも喉は自分で調節しないといけないので難しいですね。でもこれはCDで聴くよりライヴで聴いたほうがいいです。これ絶対ノリノリやろ!と」
――ホント、ライヴでの光景がもう見えてます(笑)。このような新しい試みも採り入れられた3曲ですが、いちばん大変だったのは?
将吾「俺は“漂流彼女”」
CHISA「やっぱり表題曲はデジタル要素が多いぶん、時間がかかりましたね。ドラムンベースにしたいというのがあったので、ミックスもすごく慎重にやりましたし。とはいえ僕らはバンドなのでそこを追求しすぎちゃうとバンドが引っ込んじゃうから、そこのバランスは神経質にやりました。DIVを2年やってきて、個々の特徴を把握できたからこそお互い(の良さ)を邪魔しない関係性を形にできたなという気がします」
――DIVはソングライティングだけじゃなく、歌詞も皆さんが分担して書いているというのもまた珍しいケースですよね。
CHISA「そうですね、それによってバンドの振り幅ができているかな。あと曲に対しての思いを全員が共有できるというか。2年やってみて、ライヴは騒ぐ場所でもあるとは思うんですけど、ただ頭を振るのが楽しいというんじゃなく、演ってる僕らも楽曲においてメッセージや思いがあったうえでパフォーマンスをし、お客さんもDIVの曲に思いがあってそれを聴く――そうやって双方が曲と付き合っていくことで、その曲自体が救われるのかなと最近思うんですよね。本当の意味で愛されるというか。より踊れるもの、より激しいものを、というだけだとその曲の意味がなくなると思うんです。それが最近このジャンル(ヴィジュアル系)に対して疑問に感じ、息苦しく感じているところで、自分たちが先導して変えていきたい部分なんですよね」
――フィジカル的な面を追求するだけでなく、メンタルの部分でDIVというアイデンティティーを持った曲を作っていく、と。
CHISA「そういう曲を作ればリスナーにも思いが生まれるだろうし、その思いがライヴの空間をデザインする気がします。それこそいちばんバンドとして長続きし、長く愛される理由になるのかなと。そういうバンドになれたらなと思います」

satoshi「メンバー各々がミュージシャンとして(めざすものが)あると思うんですよ、それを色濃く自分の曲に反映させていければ」
――“漂流彼女”のリリース直後に2周年ライヴも行われますね。
CHISA「ここに来れば最新のDIVが観れるものを用意しています。2周年記念なんですけど、これまで応援してくれてありがとうというよりは、またここから始まるというか、過去と未来をどちらも見られるような、初めて観る人にもいいライヴになると思います!」
