コラム

「四月は君の嘘」 クラシック音楽×青春×恋愛のシンフォニー! 音楽への並々ならぬこだわりが全編で貫かれたアニメ作品

(C)新川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

 アニメの世界におけるクラシック音楽といえば、例えば「新世紀エヴァンゲリオン」のベートーベン〈第九〉や「涼宮ハルヒの憂鬱」のマーラー〈交響曲第8番〉のように、重要なシーンの劇伴として印象的に用いられるケースが多い。また、2007年から2010年に3期に分けて放送された「のだめカンタービレ」など、それ自体を題材にしたアニメも散見できる。このたびDVD/BDがスタートした現在放送中のTVアニメ「四月は君の嘘」もまた、クラシック音楽の世界を真っ向から取り扱った作品だ。

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 講談社漫画賞を受賞した新川直司の人気コミックを原作とするこのアニメ。主人公は、かつて天才ピアニストと謳われたものの、母の死をきっかけにピアノが弾けなくなってしまった中学生の少年。そんな彼が、強烈な個性を持ったヴァイオリニストの少女と出会い、お互いの才能に惹かれながら成長していく姿を描いた青春ストーリーとなっている。そこに主人公と幼馴染の女の子との恋愛要素も絡み合い、それぞれの悩みや葛藤が切なく交差していく部分は、「ハチミツとクローバー」の雰囲気に近いかもしれない。

(C)新川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

(C)新川直司・講談社/「四月は君の嘘」製作委員会

 

 加えて、アニメ的に注目したいのは、マンガでは決して味わえない音楽の部分。登場人物の演奏シーンでは、実際にプロのミュージシャンがキャラの心情に合わせて演奏したテイクを用い、さらに演奏の様子を撮影した映像を参考に作画を行うという徹底ぶり。横山克が手掛けた劇伴もピアノを中心とした透明感のあるサウンドで、鮮やかな色彩に溢れた画面に凛とした空気を与えている。彼がクラシックの名曲を下地に書き下ろした挿入歌もあり、音楽に対する並々ならぬこだわりが全編で貫かれているのだ。クラシック音楽の楽しさを全力で表現したような本作は、すべての音楽好きにお薦めしたい!

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