ザ・フォー・シーズンズのメンバーの半生を扱った同名のブロードウェイ・ミュージカルの映画化。メンバーの出会いや成功、挫折や裏切りといった実話を正面から堂々と語り切ってしまう監督クリント・イーストウッドの演出はやはり格別である。細部の描写について語り始めればきりがなくなってしまうが、例えば『J・エドガー』に続きコントすれすれの老けメイクで1人の役者で1人の人生を描いてしまう点はどうだろう? 更に言えば、この映画でとりわけ印象的なギャングのクリストファー・ウォーケンの年の取らなさ具合ときたら! リンクレーターの実年齢ドキュメント作戦が勢いを増す中、映画という“ウソ”に宿るものに賭けた御大に涙したい。

ジャケット画像 (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC ENTERTAINMENT