『グラン・トリノ』から10年ぶりとなるイーストウッドの監督主演映画である本作は、麻薬カルテルの運び屋となった90歳の男の実話をベースに、仕事にのめりこみ家庭を顧みなかった男の贖罪というイーストウッドの人生と重なる物語が語られる。主人公は他の主演映画同様イーストウッドその人であるように見える。しかし、本作はそんなイーストウッドのイメージをさらりと横滑りさせるだろう。スマホなんて使わんというそぶりを見せつつも、必要に迫られれば難なく使いこなせるようになっているイーストウッド。その意味で最大の見せ場は、とある化粧品を使うイーストウッドだ。さらりと衝撃的!