世代を超えるイメージの源泉となったプロディジー

 前作『Invaders Must Die』の出たタイミングで、bounce 2009年3月号の〈PEOPLE TREE〉コーナーにて取り上げているプロディジーではあるが、いわゆる〈プロディジー・チルドレン〉と呼べる後進たちはこの特集で個別に掲載している顔ぶれを筆頭に、それ以降もどんどん増加しているように思える。

【参考動画】グリッチ・モブの2014年作『Love Death Immortality』収録曲“Can't Kill Us”

 

 『Fat Of The Land』の15周年記念リミキサーに起用された面々(ノイジアグリッチ・モブバウアーら)はもちろん、ヒップホップやドラムンベースを含むベース・ミュージックをレイヴィー&ドゥーミーに展開する折衷的なダンス・アクトの多くは、実体はさておいてプロディジー的な存在として見なされることが多い。それは本文にもあるように、EDM時代の追い風もあって成長したビッグなシーンが、ダンス・ミュージックを荒々しくスタジアムへと持ち込んだプロディジーの姿を連想させるからでもある。時代の流れがそうある以上、〈元祖〉としての彼らへの敬意も止むことはないだろう。

【参考動画】プロディジーの2012年作『The Fat Of The Land』の15周年記念盤に収録された
ノイジアによるリミックス“Smack My Bitch Up”
【参考動画】バウアーの2014年のEP『β』収録曲“One Touch”