世代を超えるイメージの源泉となったプロディジー
前作『Invaders Must Die』の出たタイミングで、bounce 2009年3月号の〈PEOPLE TREE〉コーナーにて取り上げているプロディジーではあるが、いわゆる〈プロディジー・チルドレン〉と呼べる後進たちはこの特集で個別に掲載している顔ぶれを筆頭に、それ以降もどんどん増加しているように思える。
『Fat Of The Land』の15周年記念リミキサーに起用された面々(ノイジア、グリッチ・モブ、バウアーら)はもちろん、ヒップホップやドラムンベースを含むベース・ミュージックをレイヴィー&ドゥーミーに展開する折衷的なダンス・アクトの多くは、実体はさておいてプロディジー的な存在として見なされることが多い。それは本文にもあるように、EDM時代の追い風もあって成長したビッグなシーンが、ダンス・ミュージックを荒々しくスタジアムへと持ち込んだプロディジーの姿を連想させるからでもある。時代の流れがそうある以上、〈元祖〉としての彼らへの敬意も止むことはないだろう。