現在Blu-rayで順次発売中の、ファンタジー系RPGのTVアニメ版『神撃のバハムート GENESIS』がこの度、サウンドトラックをリリースする。音楽を手掛けたのは『相棒』シリーズや『家政婦のミタ』などで知られる人気劇伴作曲家の池頼広。荘厳なクラシックを基調としながらも無国籍でエモーショナルなサウンドは、昨年の放送当時からネット上でも大いに話題を集めていた。

池頼広 「神撃のバハムート GENESIS」 オリジナル・サウンドトラック NBC ユニバーサル・エンターテイメントジャパン(2015)

 「剣と魔法が支配するファンタジーみたいなのは元々嫌いじゃなかったし、人間も神様も悪魔も平等に入り混じっている〈ミスタルシア〉の世界観が面白くて、お話しをいただいた時から興味が湧いた。思いっきりやっていいとお墨付きをもらったので(笑)、結構大胆に、今まで作ってきた音楽の集大成みたいになりましたね」

 サウンドトラックは2枚組で、全12話分の膨大な音楽を余すことなく収録。

 「話の内容を聞いて、場面にあう楽曲をいくつか用意し、それを編集して使ってもらうテレビ・ドラマの現場とは違って、画面を見ながら動きに合わせてきっちり、ひとつひとつの音楽を仕上げていく作業は大変だけど楽しくて、主人公たちと一緒に冒険を続けているみたいな感覚でした。プロデューサーやスタッフのテンションも高かったし、何よりずっと積み重ねていってみんなに届くものを作り上げているという充実感があった」

 

(C)Cygames/MAPPA/神撃のバハムート GENESIS

 

 女主人公アーミラの声を担当した清水理沙が歌詞を描き下ろし、自ら歌い上げたエンディング・テーマ《Promised Land》も聴き所のひとつ。

 「J-POPっぽいのを作るのは苦手でどうしようかなと思っていた時、以前作った曲で、自分でも気にいっていたけど、かなり難易度の高い曲があったのを思い出して、試しに彼女に投げてみたら見事に歌いこなしてくれて感動! まるでシンデレラにガラスの靴がぴったりはまった瞬間みたいでした。実は個人的にもアーミラがいちばん好きなキャラクターで、歌詞にも彼女の想いが込められているので、毎週聴いているうちにどんどんあの曲が胸に染みるようになりました」

 5月には東京オペラシティを会場に、オーケストラの生演奏と大迫力の映像で作品の世界を体感できる夢のコンサート、通称〈バハコン〉も実施。司会とソリストに清水理沙を迎え、作曲者自らが指揮を担当するゴージャスな企画だ。

 「当日はお客さんに背中を向ける格好で失礼いたします(笑)。本格的なクラシック・ホールで生のオーケストラ演奏を聴くのは初めてという方も、ぜひ!」

 

池 頼広/Yoshihiro Ike
ベーシスト・劇伴作曲家。2012年には『探偵はBARにいる』で第35回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。『家政婦のミタ』『相棒』シリーズ、『神撃のバハムート GENESIS』などの音楽を担当、多岐に渡り活躍中。

 

〈神撃のバハムート GENESIS オーケストラコンサート〉
会場:東京オペラシティ コンサートホール タケミツ メモリアル
5月5日(火・祝)18:00開演(17:00開場)
5月6日(水・祝)昼公演 11:00開演(10:00開場)/夜公演 16:00開演(15:00開場)
音楽/指揮:池頼広
司会/歌唱:清水理沙
http://shingekinobahamut-genesis.jp/concert/