(c) VisualArt's/Key/Charlotte Project 

 

〈泣きゲー〉ブームの立役者・麻枝准が送る、特殊能力を持った少年少女たちの青春ストーリー

 美少女ゲームの人気ブランド、Keyのヒット作「AIR」「CLANNAND」「リトルバスターズ!」(いずれもアニメ化済み)などのシナリオを手掛け、独自の死生観を織り込んだ感動的な作風で〈泣きゲー〉というジャンルを確立した麻枝准。それらの作品の楽曲制作ややなぎなぎとのコラボ盤など、転調や変拍子を多用しながらも真っ直ぐに響くメロディーと物語性に富んだ歌詞で、音楽面でも才能を発揮するクリエイターだ。

 2010年には、彼の原作/脚本による初のオリジナル・アニメ「Angel Beats!」(このたび麻枝書き下ろしの新エピソードを追加してBDボックス化!)が話題を呼んだが、そのスタッフが再集結して届けられるのが、今夏に開幕するTVアニメ「Charlotte」。思春期の少年少女のごく一部が特殊能力を発症する世界を舞台に、〈5秒間だけ任意の対象の体を乗っ取る〉能力を持つ主人公と、生徒会長のミステリアスな少女が出会い、能力者の宿命が暴かれていくというストーリーだ。原作/脚本はもちろん麻枝で、キャラクター原案はNa-Ga、アニメ制作はP.A.WORKS、そして劇伴はANANT-GARDE EYESと麻枝、光収容が続投。麻枝みずから作詞/作曲を手掛ける主題歌についても、オープニング・テーマは“鳥の詩”を筆頭にKey発の名曲を数多く歌ってきたLia、エンディング曲はシンガー・ソングライターの多田葵という、「Angel Beats!」と同じ布陣が歌唱する。

 

 また、「Angel Beats!」では劇中バンドのGirls Dead Monsterがエモいロック・チューンの数々で物語を熱く盛り上げたが、今回はそのガルデモでソロ・デビュー前のLiSAと共に歌唱パートを担当したmarinaがヴォーカルを務める〈ポスト・ロック・バンド〉のZHIEND(ジエンド)が登場。さらに、内田真礼演じるアイドルの女の子が歌うHow-Low-Helloという劇中バンドもあり、音楽面での仕掛けもいろいろとありそうだ。

 そのジュヴナイルSFのような世界観や、〈約束、帰ってくること。〉という意味深なキャッチコピーが、細田守監督によってアニメ化もされた筒井康隆の名作「時をかける少女」をも連想させる本作。〈ループする世界〉や〈死後の世界〉といった舞台装置を使って大きな感動を生み出してきた麻枝の新境地が、素晴らしい夏への扉を開けてくれることだろう。

原作・脚本/麻枝 准(Key/ビジュアルアーツ) キャラクター原案/Na-Ga(Key/ビジュアルアーツ) 監督/浅井義之 キャラクターデザイン/関口可奈味 総作画監督/杉光登、関口可奈味 音楽/ANANT-GARDE EYES、麻枝 准、光収容 制作/P.A. WORKS
7月よりTOKYO MX、MBS、CBCテレビ、BS11ほかで放送開始