今月もハウスのスタンダードが復刻!

 若人たちがいわゆる初期テクノを発見する動きから、アシッドやシカゴ・ハウスにまで遡って新たな評価軸が授けられるのは当然の流れでしょうし、そうでなくても昨年はトラックスのボックスが出たり、ラリー・ハード絡みの復刻が頻繁だったり、ダンス・マニア周辺が話題になったり、80~90年代ハウスの定番がさまざまな方向から編纂/復刻されています。で、ele-kingのガイド本「ハウス・ディフィニティヴ 1974-2014」の刊行に連動して、フィンガーズ・インクとトッド・テリーの作品が復刻されています。

西村公輝,三田格 『ハウス・ディフィニティヴ 1974-2014』 ele-king books(2014)

VARIOUS ARTISTS 『The Sound Of D.J. International / Underground』 Pヴァイン(2014)

 そして、今回はトラックスの対抗馬でもあったシカゴの最重要レーベル、DJインターナショナル(と傍系のアンダーグラウンド)の音源が『The Sound Of D.J. International / Underground』に編纂されました。ここで聴けるのはJM・シルク“Music Is The Key”やジョー・スムース“The Promised Land”(スタカンのカヴァーもお馴染み)、そして先日他界した帝王フランキー・ナックルズの“Only The Strong Survive”など、主に85~87年のクラシックたち。生粋の黒いグルーヴと中毒性は理屈抜きで味わってもらうしかありません!