インタビュー

加山雄三率いるヴェテラン揃いの新人バンド・THE King ALL STARSが満を持してメジャー・デビュー!

加山雄三率いるヴェテラン揃いの新人バンド・THE King ALL STARSが満を持してメジャー・デビュー!

音楽の歴史を更新し続けるKingの偉業に刮目せよ! 

 bounceをパラパラめくりながら若大将が大いに語る。「ファレルはムチャクチャいい。こりゃ参ったって感じ。音楽って進化してるんだよなぁ。我々が子供の頃に初めて聴いた音楽と、この時代の子たちが初めて聴く音楽ではすごい差があると思うんだ。だからいまの子供が物心ついた頃には、まるっきり違った感性を持っているはず。あと、BABYMETALのDVDをずっと観てるよ」。

THE King ALL STARS I Simple Say DREAMUSIC(2015)

 音楽家・加山雄三(ギター/ヴォーカル:以下同)の好奇心は78歳のいまなお至って旺盛。THE King ALL STARSのメジャー・デビュー・ミニ・アルバム『I Simple Say』にもそんな彼の豊かな探求心がしっかり反映されている。佐藤タイジ(ギター/ヴォーカル)、ウエノコウジ(ベース)、武藤昭平(ドラム/ヴォーカル)、スチャダラパー(ラップ)、古市コータロー(ギター/ヴォーカル)、タブゾンビ(トランペット)、高野勲(キーボード)、キヨサク(ヴォーカル)など才気溢れる〈息子〉らと共に、シンプルにロックを楽しむことに没頭する若大将は、“サライ”や“海・その愛”を歌うときより大きく見える。

 「彼らが築き上げてきたロックのセンスと俺の曲が触れ合うと、新しい何かが生まれるんだ。お世辞かもしれないけど、メンバーは昔の曲を〈決して古くない〉と言ってくれたんで、その気になって〈やろうぜ!〉ってなったけど。なんとこの歳でメジャー・デビュー。何考えてるんだって話だよ(笑)」。

 前作『ROCK FEST.』は、全員が集まってお祭りを楽しむことを最優先にしていたのかも。そう思わせるほどに本作は、ゴールに向かって突き進もうとする気持ちが前に出たバンド・サウンドが生まれており、前作よりも各自のキャラが立っているようにすら思える。なかでも、ポップなフォーク・ロック・サウンドに無理なくラップが挿み込まれたキヨサクとスチャダラパーの共作曲“continue”は、このバンドの自由な気風を如実に表しているだろう。

 「それは間違いないね。メンバーたちが探り探りやってきたことがようやくハマってきたというか、みんな正直になってきた。スチャダラなんか〈しあわせだなぁ、なんて照れないで言えるぐらい……〉とか歌っているけど、頭に浮かんだことを躊躇せずにそのまま出していてさ。いい線まできたな、って思えた。この曲は明るいロック調なんだけど、歌詞には亡くなったお母さんへのキヨサクの思いが込められていてね。歌っていると泣けてくるんだ」。

 どんな要素を放り込んでも、誰かがキャッチして良い感じに活かしてくれる良好なチームワークは随所で見ることが可能だ。“Sherrie”“WHY DON'T YOU”などの加山が弾厚作名義で60年代に書いたガレージなビート・ナンバーも、ラフだけどアイデア満載のサウンドで甦っていてただただカッコ良い。

 「全曲グレードの高いサウンドばっかりじゃとっつきにくく感じられることもあるし、少しダセエぐらいのサウンドが逆に親しみを持ってもらえるかもって考えてさ。気取りなんてなるべく持たないほうがいいと思ってね。そもそも音楽は感性のもので、自分の作りたいものを作ればいい。ま、いまはロック系の曲が多いけど、今後ジャンルの幅がもっと広がっていく気がするんだ。スロウの超いい曲をやったりとかさ」。

 何より嬉しくありがたいのは〈ロックに卒業はなし〉ってことを〈King〉が実にカッコ良く教えてくれること。だって彼は前例のないことをやり続けているのだから。78歳のシャウターの本能に訴えかけるフィジカリティーに溢れたパフォーマンスがロックの歴史を更新し続けてる、ってなことを言いたくなるんだよなぁ。 

 

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ここでは加山以外のメンバーの近作を紹介。まず“continue”で加山とマイクを共にしたキヨサクはMONGOL800『People People』(TISSUE FREAK)、新曲“賢者のブルース”を提供した佐藤タイジはシアターブルック『LOVE CHANGES THE WORLD』(Mastard)と、それぞれニュー・アルバムを間もなくリリース! “continue”で鮮やかなラップをキメるスチャダラパーも最新作『1212』(SSDP/SPACE SHOWER)を年初に発表したばかりです。新曲“Dr."K"”を書き下ろした武藤昭平は、ウエノコウジとのコンビで3作目『STRANGERS』 (UKプロジェクト)を今春に上梓。古市コータローは昨年に19年ぶり(!)のソロ作『Heartbreaker』(WONDERGIRL)を完成させてファンを喜ばせました。トランペットのタブゾンビはSOIL&"PIMP"SESSIONSの2014年作『Brothers & Sisters』(ビクター)に加え、矢野沙織のアルバムなどに参加。バンド・マスターも務める高野勲は、シンリズムの2015年作『NEW RHYTHM』(Ano(t)raks)荒川ケンタウロスの最新作に関わるなど、幅広く活躍中です! *bounce編集部

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