結成40周年を迎えた老舗トリオによる22作目。全米22位を記録した前作はブルージーな色味の強い作品だったが、今回はファスト・チューンを主体とする作風で、〈これぞモーターヘッド!〉と言いたくなる出来。スタジオ・ライヴに近い形式で録られたというだけあり、ライヴ感も凄まじいし、6作連続でタッグを組んでいるプロデューサー=キャメロン・ウェブとの相性の良さも窺える。しかも、一気に聴きたくなる痛快な流れの終着点に収められているのは、ローリング・ストーンズ“Sympathy For The Devil”の渋くも毒気と色気のあるカヴァー。先頃の〈フジロック〉では抜群の存在感を印象付けつつ、本作からは1曲も披露されずじまいだっただけに、今作に伴うツアーでの日本再上陸を望みたいものだ。