ディスクガイド

白い仮面のクリエイター集団・Xmas Eileenや様式美で魅せる妖精帝國など、百花繚乱のラウド盤ガイド(3)

【特集:日本の重音 2015】Pt.8

LOUDER JAPAN
[ 特集 ]日本の重音 2015

不敵に刻まれるリフ、野獣の如き咆哮、急転直下のブレイクダウン、地鳴りのようなツーバス……滾らずにはいられない要素が満載の重音マップ、2015年度版!

 


 

DISC GUIDE
フレッシュな面々から立て続けて世界進出の話題が届いたりと、今年も、そして今夏も百花繚乱のラウド・シーン。不敵に刻まれるリフ、野獣の如き咆哮、急転直下のブレイクダウン、地鳴りのようなツーバス……と、滾らずにはいられない要素はさまざまあるが、さらには、その鳴りも組み合わせ方も多種多様。そこで今回は、初めての作品を送り出したばかりのニューカマーからシーンの中核を担いつつあるアクトまで、2015年にリリースされた、あるいは併せて聴いてみてほしい近年の作品たちを紹介。 *bounce編集部

 

Xmas Eileen SORRY WHO AM I ? PRIVETE SMILE(2015)

白い仮面がトレードマークの新人覆面バンドならぬ、グラフィック担当なども含むクリエイター集団。2000年代のミクスチャーニュー・メタルの匂いを放つラップ混じりのヘヴィーな音作りはMAN WITH A MISSIONに近い部分もあるが、このユニットはよりブロステップ風味のシンセ使いが特徴で、EDM風の昂揚感が全面に。 *土田

 

 

CAPRICCIO HYPER NATURALISM 413TRACKS(2015)

おとぎ話を彷彿とさせる電子音に、激情的かつテクニカルなラウド・サウンドを掛け合わせた、南大阪発の〈メルヘンチックデスポップバンド〉。19歳の女性ヴォーカル、PEKOによる力強い歌声と、スクリーム担当のうさぎさんによる咆哮に次ぐ咆哮が印象的。イロモノと侮るとマジで怪我しますよ。 *山口

 

 

妖精帝國 SHADOW CORPS[e] ランティス(2015)

ストリングスやクワイアをふんだんに使用し、いわゆる〈様式美〉も多く感じられる作風は、本特集にあっては少々異質。だが、重厚なメタル・マナーと終身独裁官・ゆいのシュガー・ヴォイスで織り上げるダーク・ファンタジーは、どこかUROBOROSの世界観に通じるものが。ストーリーが進むにつれて奇妙な捻れに巻き込まれていくような感覚を覚える、一大エンターテイメント作品だ。 *土田

 

 

DIV SECRET DANGER CRUE(2015)

シンセやプログラミング、ミクスチャー/メタルコア的な要素をポップに採り入れることで、メロディーの持つセンティメンタリズムをより強調した一枚。〈ラウド〉な志向は、ブロステップ風のブレイクダウンからトランシーなサビへ移行する“SECRET NIGHT”や回転する電子ビートとグルーヴィーなリフで駆け抜ける“JUSTICE”、骨太にバウンスする“RAGE”あたりに顕著かと。 *土田

 

 

SCREW 覚醒 徳間ジャパン(2015)

ヘヴィー・なグルーヴ~ニュー・メタル仕様のバンド・サウンドとエレクトロニクスとの洗練された配合ぶりに、タッグを組む岡野ハジメとの相性の良さが滲む4人組。前作『昏睡』と対になる本作は、挑発的なブラストビートを轟かせる冒頭から重音ワルツで踊るラストまで、物語性のある6曲入りのミニ・アルバムだ。 *土田

 

 

Mysterious Priestess 夢国ノ義士 KICKSTART(2015)

流麗なストリングスとオペラの如きハーモニー、次々と場面転換を繰り返す轟音。日本の神話をベースにしているというサウンドは、北欧のポスト・ロックを高速でオーケストラ・アレンジしたかのようなプログレッシヴ・デス・メタル。荒涼としたサウンドスケープのなかで獣のような咆哮が響き渡る、その不穏なスリルたるや! *土田

 

 

A Barking Dog Never Bites DOGMA Chord es(2015)

〈バッキバキの極悪DANCE CORE〉と謳っているものの、聴こえてくるのはテクニカルなプレイが随所に挿入される人力ダンス(・ラウド)・ロック。ブルータルかつグルーヴィーな演奏は相当硬派だが、キャッチーな歌メロが風通しの良さを生み出している。スクリーム担当の奇妙な声色使いがとにかく特徴的で、耳にこびりついて離れない! *土田

 

 

MergingMoon 怨 -eN- Orochi(2015)

CNNの番組に取り上げられたことでアメリカ/カナダでも認知を得たという〈妖怪コア〉バンド。エレクトロニクスを交えながら〈和とホラー〉を体現するサウンドは、まさに劇場型であり、激情型であるメタルコア。おどろおどろしいというよりは深淵さを湛えたという表現が似合いそうな、メランコリックな世界観を立ち上げている。 *土田

 

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