全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論、神聖かまってちゃん、クリープハイプ、cero、KANA-BOON、洋楽ではストライプスやチャーチズ、スカイラー・スペンスといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお届け! 今回は11月度の洋楽編です!!
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今回はタワーレコード新宿店にて行われたタワレコメンの会議。今回もスタッフたちが〈これぞ!〉というオススメ作品を持ち寄り、タワレコメンの座を獲得すべく熱いプレゼンを繰り広げました。何百タイトルという新作のなかから候補作に挙がったのは……!?
一番手を飾ったのは、グライムスやマック・デマルコにも影響を与えたカナディアン・インディーの重要人物、ショーン・ニコラス・サヴェージの新作 『Other Death』。桃色のファルセット・ヴォーカルと浮遊感たっぷりのシンセ・サウンド、ポコポコと軽妙なビートが織り成す、アーサー・ラッセル直系の腰砕けミュータント・ディスコ(・ポップ)がクセになります。推薦スタッフは〈インディー・ポップ版ディアンジェロ〉と形容していました。
続いて、ショーン・ニコラス・サヴェージと同じくカナダはモントリオール出身のドリーム・ポップ・バンド、ヤング・ギャラクシーの5作目『Falsework』が登場。可憐な女性ヴォーカルとファニーなディスコ・サウンドのエレクトロ・ポップは実にキャッチー! 〈チャーチズのファンには間違いなく刺さります!〉とプレゼン担当スタッフも熱くなっていました。
オアシスやスミス、ブリトニー・スピアーズらによる有名曲のご機嫌なカヴァー集で、会議を一気に愉快なムードへと変えたのが、イタリアのスカ・バンド、ブルービーターズのアルバム『Everybody Knows』。文字通り〈みんなが知ってる〉メロディーを軽快なバック・ビートに乗せたスカ・カヴァーに、会議スタッフのなかにはついつい口ずさんじゃう人も。オアシス“Roll With It”のカヴァーにはノエル・ギャラガーも太鼓判を押したそうです。
2店舗から推薦されたのは、カリフォルニア出身、若干18歳のシンガー・ソングライター、ノアーの初作『Nostalgia』。スウィートな歌声と西海岸ならではのカラッと涼しいサウンドは、まさに聴く人を選ばない王道のポップス。スタッフからは〈ジョン・メイヤーに匹敵する大器〉との声も。
さらにこちらも2店舗からの推薦。映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」の挿入歌として大ヒットしたウィズ・カリファ“See You Again”への客演で名を上げたシンガー、チャーリー・プースの初作『Nine Track Mind』です。すでに日本でもメーガン・トレイナーを迎えた“Marvin Gaye”が話題。マーク・ロンソンやブルーノ・マーズと並ぶ、レトロ・ソウルの現代的解釈にスタッフも〈これはブレイク間違いなし〉と太鼓判を押していました。
続いては、カリフォルニアの姉妹ポップ・バンド、サマー・ツインズのセカンド・アルバム『Limbo』。60年代ガール・ポップの牧歌的なメロディー・ラインにいまのインディーならではの気怠いムードを落とし込んだサウンドには会議メンバーもうっとり。注目レーベル、バーガーの看板バンドでもあり、推薦スタッフは〈ファッション好きの若い子にもオススメできそう〉とお洒落さもアピールしていました。
後半に差し掛かった会議を、正攻法のギター・ロックで目覚めさせたのは、DMA'Sの初作『DMA'S』。NMEがギャラガー・ベイビーと名付けたそうですが、確かにねっとりとした歌声とアンセミックなメロディー・センスにはオアシス級のポテンシャルが窺えます。オアシス直撃世代の多い会議メンバーの親指も立っていました。
そして、推薦スタッフが〈スモールプールズ好きは必聴〉と熱く語っていたのは、ノルウェーのシンセ・ポップ・バンド、キッド・アストレイの初作『Home Before The Dark』。キラキラとしたウワモノと疾走感たっぷりのビートに、昂揚せずにはいられません。ロイヤル・コンセプトやチーム・ミーに続く北欧ポップの注目盤です。
ラストは、北欧はスウェーデン出身の3人組、ケイト・ボーイのデビュー・アルバム『One』。ヴィンテージのシンセを使った音の太いエレ・ポップはダンスフロアでも映えそう。スタッフたちも〈80年代のニューオーダーと同じ感覚で聴ける〉と高評価でした。
ということで、今回も多彩な作品が並んだタワレコメン会議。多数決で選ばれたのは……!?