デトロイト・ジャズ・フェスティヴァル恒例の、熱いコンセプチュアル・ジャム・セッション
デトロイトで100年以上続くアパレル・メーカー、カーハートのオーナーであると同時に、ジャズ・ピアニスト/作曲家でもあるグレッチェン・ヴァーレードの個人レーベルとして1998年にスタートしたマック・アヴェニューは、揺れ動くアメリカ音楽産業の中で、多くの才能溢れるアーティスト達を迎え、今やメジャー・レーベルを上まわるロースターを誇る。ヴァーレードが2005年からメイン・スポンサーを務めるデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルは、マック・アヴェニュー所属のアーティストにとって絶好のショウ・ケースである。
2012年から、ライヴ・レコーディングを始めたフェスティヴァル2日目の午後のマック・アヴェニュー主催のジャム・セッションは、2014年の録音で3枚目となった。第一作から音楽監督を務めるデトロイト・ベースで演奏、教育活動を行っているロドニー・ウィティカー(b)にその盟友カール・アレン(ds)、マック・アヴェニューの若きスター、アーロン・ディール(p)、ウォーレン・ウルフ(vib)、ヴィヨンセ(vo)・バンドのティア・ファウラー(as,ss)、ホイットニー・ヒューストン(vo)のサポートでも知られたカーク・ウィラム(ts,fl)から、ジャンゴ・ラインハルト(g)・スタイルのプレイで知られるHot Club of Detroit のエヴァン・ペリ(g)ら、2014年も世代、スタイルの異なる多彩なアーティスト達が集結した。ウィティカーは、本作を単なるオール・スター・セッションのライヴ・アルバムに終わらせるのではなく、フェスティヴァルの数ヶ月前から参加アーティストにこのセッションのための曲を依頼した。アーティストそれぞれにスポット・ライトが当たり、そのスタイルの多様性が、マック・アヴェニューと言うレーベルの魅力を余すところなく表現している。2015年は、クリスチャン・マクブライト(b)が音楽監督を務めて録音された。次作にも、さらに期待が高まる。