〈フランス映画にしようよ/二人の距離縮めるには/オシャレでロマンチックなラブが必要〉という、あまりにも軽快な歌で幕を開けるカジヒデキの18枚目のオリジナル・フル・アルバム『GOTH ROMANCE』。プロデュースを盟友・堀江博久が手掛け、小山田圭吾、野宮真貴、おとぎ話、The Wisely Brothers、のん、栗原類など、若手からヴェテランに至るまで錚々たるミュージシャンや俳優が参加した本作(参加した面々のすべてはここでは書き切れないが少し検索すればすぐに出てくるのでぜひチェックしてみてほしい。豪華すぎるので!)。ここにはデビュー時から変わらぬ瑞々しい魅力に溢れ、それと同時に、ただ軽やかなだけではなく、ふとした瞬間に軽やかであり続けることにすごみを感じさせる、じつに奥行きが深く噛み応えのあるポップスが広がっている。今回のインタヴューでは本作のプロデュースを堀江に託した背景、制作方法の変化とその手応え、絶え間ない創作の源泉に迫った。

カジヒデキ GOTH ROMANCE BLUE BOYS CLUB/AWDR/LR2(2019)

 

――いきなり雑談になってしまいますが、カジさんの最近の楽曲提供仕事だと、あっとせぶんてぃーん※の一連の曲がすごく好きなんです。

※現役メイドからなるポップ・ユニット。
 

「ありがとうございます。あっとせぶんてぃーんは結構力入れて作ってます。セルフ・カヴァーしたいと思っているくらいで」

――アイドル・ソングだからこそストレートなオマージュも入れやすいのかなと。ストロベリー・スウィッチブレイドとか。

「シングル用の曲を、という話だったのでストレートにいったほうがいいかなと。いわゆるアイドル・ソングらしい、BPMが速くてドンドンドンドンっていう4つ打ちみたいな曲じゃなくて、80年代の洋楽っぽい感じでやってほしいと依頼されたこともあり、本当に好きにやれてます」

あっとせぶんてぃーんの2017年のシングル“セブンティーンパフェ”。カジヒデキが作曲とプロデュースを担当し、ストロベリー・スウィッチブレイド“Since Yeasterday”のオマージュも挿入されている
 

――以前、イヴェントに出てもらう機会もあったんですけど、やっぱりドンドンしてないと不安なところもあるみたいで。カジさんの曲を歌うのが個性になっていると思うんですけど。

「彼女たちのワンマン・ライヴなどに足を運ぶと、やっぱりBPMが速くて、オイ!オイ!ってできる曲の方が圧倒的に人気なんですよね(苦笑)。そう考えると僕がこういう曲を作っても彼女たちは本当に嬉しいのかな?と(笑)。別の見方をすれば、こだわったいい曲をやってると思ってもらえたらいいんですけどね」

 

ポップやロックを熟知した堀江博久が全編プロデュース

――ここからはカジさんのニュー・アルバム『GOTH ROMANCE』のことを伺っていきたいと思います。まず、堀江博久さんをプロデューサーに迎えた点が大きな特徴で。全編プロデュースという形になった経緯を教えてください。

「3年くらい前に堀江くんと話す機会があって、次のアルバムは一緒にやろうよって言ってくれていたんですよね。僕も堀江くんに全部をやってほしいとは思っていたんですけど、アルバムをトータルでプロデュースしていただくことは結構大変なことなんです。いままでも(予算を)やりくりしながら何枚も作ってきていて、例えば半分くらいはこの人にやってもらって半分くらいは自分でやろうとか。

でも、前EPの『秋のオリーブ』(2018年)で堀江くんに2曲やってもらって、その制作を経て、自分がある程度責任を追ったほうがいいと思ってくれたんじゃないかな(記事〈なぜカジヒデキはボーダーを着続けられるのか? 堀江博久と語る『秋のオリーブ』〉を参照)。きっと僕のアルバム用のデモもすごく気に入ってくれたんだと思う。堀江くんはディレクター的な側面もすごくあるんです。宣伝の仕方とかも考えるA&R的な部分もある。そういうところも含め、レコーディング前からいろいろな話をしてくれましたね」

『秋のオリーブ』表題曲
 

――戦略的な部分まで含めてのトータルのプロデュースなんですね。

「これまでさまざまな方にプロデュースをしてもらったんですけど、さすがにそこまでやる人はいなかった。いちばん親身になってくれました。セルフ・プロデュースはセルフ・プロデュースのおもしろさもあるんですけど、やっぱり自分で作れる領域、範囲は自分でもわかっているので、もうちょっと違ったクォリティーのものを作りたいと思っていたんです。よりポップスやロックを熟知している人に丁寧にやってもらったら、もっといい作品が出来るって。堀江くんはそういうのに長けていると思いました」

――では、自然な流れだったんですね。

「そうですね。長く付き合ってきて、各アルバムでキーボードをやってもらってきていたんですけど、それだとレコーディングで1日だけ来てもらうような感じなので、アルバム全体の口出しはできないじゃないですか」

――あくまでプレイヤーとして参加しているから、一線は越えられないというか。

「レコーディングでもある側面しか見ることができないので、堀江くんくんなりにきっともどかしかったところもあったのかなと。今回はかなり踏み込んできてくれた感じです。〈まず自分が何をしたいか〉というプランありきではあるんですけど、それを伝えたうえで、参加ミュージシャンのキャスティングとかも考えてくれて。レコーディングをしながら、〈ここをこうすればストーリーが繋がっていいんじゃないか〉ってアイデアが出てきて、そのうえで誰にコーラスを頼むか、ミックスをやっていただくかという話になったんです」

 

きちんとプリプロをして作った初のアルバム

――レーベルのサイトで見られる川崎大助さんの解説に、今回きちんとプリプロをされたということが書いてあって、驚いたんです。それまではなかったのかって。

「川崎さんのを読むと素人みたいですよね、僕(笑)。90年代は特にそうだったと思うんですけど、まだ音楽産業に力があったじゃないですか」

――潤沢な予算もあって。

「先にスタジオが押さえられていて。本来はそこに合わせて曲を用意しておかなきゃいけないんですけど、間に合わなくて、スタジオに入ってから曲を作りはじめるみたいなこともありましたね。稀にですが(笑)。しかも、そのスタジオも一日何十万円もするようなところで。それが許された時代だった。それがよくなかったのかもしれないですね(笑)。あの時代はきっとどこもそうだったと思うし、今回参加してくれた野宮(真貴)さんと話したときに、ピチカート(・ファイヴ)もそうだったっていう話を聞きました。歌詞が出来る前にスタジオに入って、その日のうちに歌詞が出来あがって、という。

自分も『ミニスカート』(97年)というアルバムのときは、曲はあってプリプロもやったんですけど、歌詞がほとんど出来てなくて。スウェーデンに行って、レコーディングの最中に歌詞を書いたんですよね。でも、そのほうが曲の感じに合わせて書けるんですよ。自分は詞先のアーティストではないので、曲の雰囲気にぴったりくる言葉を乗せたいというのがすごくあるんです」

『ミニスカート』収録曲“ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~”
 

――サウンドやアレンジが固まってから歌詞を書いていた。

「ある程度固まったほうが歌詞が作りやすいんですよね。その後もずっとそういうやり方でやってきました」

――それに、そのほうが勢いが出ることもあるんじゃないですか?

「もちろんそれもあるし、成功例もたくさん作ってきたと思います。だけどホームランもあれば三振もある訳で(笑)、雑だなと思うこともあったり、自分的にもせっかくいいアレンジで曲が出来上がったのに歌詞がイマイチだったなということもあって。とはいえ、〈歌詞を先に書いてね〉って言われても出来ない時は出来ないんですよね(笑)。ただ、今回は〈歌詞が全部揃わなければアルバムのレコーディングに入らない〉と堀江くんに言われていたので。去年の秋くらいから悩みながら作っていました」

――アレンジが固まってから歌詞を書くのとは違った作りになりますよね。

「その意味で言うと、デモ自体はある程度自分で作るんですよ。アレンジはこういう感じでイントロのメロはこうでと作ってはいるので」

――ギター1本で弾き語りみたいなものではない。

「ではないですね。だからある程度の雰囲気は出来ているんですよね」

 

齢を重ねたからこそ描ける、青春のストーリー

――歌詞を書いてプリプロを経た結果、仕上がりとしてはこれまでと違ったのでしょうか? 実際聴いてみて、これはすごい作品だと思いました。

「ありがとうございます。自分の気持ちとしてはかなり違います。納得度が全然違う。すごく納得したうえで歌に取り組めている。ギリギリで書いてしまうと、歌詞がある程度いい感じに出来ていてもちゃんと歌い込めてなかったりするし……これ、自分の過去の悪い話をしてますかね。おおいに反省します(笑)。堀江くんも歌詞のチェックをして、アドヴァイスしてくれて。『秋のオリーブ』のときは、曲によってはテーマ自体を変えたほうがいいんじゃないかっていう意見も出してくれたんですけど、アルバムでは基本的にどの歌詞も最初からすごく気に入ってくれました。そのなかで何度かやりとりしながら詰めていった歌詞が多いです」

『GOTH ROMANCE』収録曲“フランス映画にしようよ”
 

――青春時代に影響を受けたものをテーマにしていますが、その経緯は?

「とにかく〈テーマがわかりやすくないといけない〉というのがあって。テーマが漠然としたアルバムは、何がセールスポイントなのかわからなくなったりするわけで、いつも考えながら作ってはきたんですけど、最近は〈夏〉とか〈なんとなく最近はこういうのが好きだから〉って感じで作っていたかもしれないですね。

その意味で今回はそうじゃいけないなと思って。前作もそうなんですけど、90年代をテーマにしようというのはすごくありました。青春映画とか青春漫画みたいなものを書いたほうがいいんじゃないかっていうのは堀江くんのアイデアで。自分も意識はせずとも多かれ少なかれそういうことを歌ってきたと思うし。どんどん年を取ってきて、自分でも書いてて少し照れくさくなることもあったりするけど、無理はしないようにとは意識して」

――とはいえキラッキラに青春していますよね。

「そうですね(笑)。いざ歌詞を書くときに、キラキラの青春ストーリーを書くにはどうしたらいいんだっていう悩みはあったと思います。去年の秋頃はあまり進まなかったりして。ほかの仕事もあったので、そうすると自分のはもう後でいいやって(笑)。やっと12月くらいから書きはじめられました。90年前後くらいが自分の青春、10代の終わりから20代前半の部分なので、その頃っぽい雰囲気をブラッシュアップしてできたらいいかなっていうのはありました」

――青春のよさとか美しさを書けるのって大人になってからだと思うんですよ。渦中にいる人は青春が終わるものだということもわからなかったりするし。

「そうですね。でも逆に言えば、いまパッと思いついたのがSHISHAMOなんですけど、彼女たちは彼女たちの年代じゃないと書けないものを書いていたりする。自分の年齢ではそういうふうには書けないけど、年を重ねたぶんの経験や、観た映画や読んだ小説も多いですし、そこでストーリーを書くことができるのかなっていうのはあります。堀江くんには〈いまはストーリーを書ける人があんまりいないから〉と言われて。〈いいメロディーを書ける人も少ない〉とも言っていて、〈カジさんはそれができる〉と。そうやって励まされながら書いた感じですね(笑)。一曲書き終えたらわりとどんどん出来ていきました」

 

誰もこんなの作れないと思うんですよ!

――その結果、カジさんの変わらないよさもありながら深い奥行きのあるものになっていて、説得力のある作品になっていると感じます。以前テイ・トウワさんにお話をうかがったときに、年を重ねていくなかでのモチヴェーションの保ち方というのをすごく考えられていて。

「いい話。本当にそうなんですよね」

――カジさんは何枚も作られてきてなお、眩しいポップスを作られているのが驚異的だなと思って。

「ですよね! こんなの作れないと思うんですよ(笑)。だから、これがある程度評価してもらえないとすごいモチヴェーションが下がっちゃうんです(笑)。ある程度いい感じに売れてほしいなと思う。そのくらい今回はがんばったなって思ってます。

テイさんもそうですけど、同年代とか先輩ですごくいい作品をずっと作り続けている人がたくさんいて。おもしろいアイデアでユニークな音楽を作ってる人は好きですね。(高橋)幸宏さんでも鈴木慶一さんでも細野(晴臣)さんでも、小山田(圭吾)くんでも小沢(健二)くんでもいまも精力的にやっていますよね。自分も何か新しいことに挑戦するのが必要なのかなと思ってはいるけど、小山田くんには変化はしていてもCorneliusという道があるように、自分のなかではカジヒデキでいなくちゃいけないなというのもすごくある。

そのなかで、〈今回の新しくていいじゃん〉っていうユニークさを出すにはどうするのがいいのかっていうのはすごく考えていて。“ノンノン・ソング”でのんちゃんに参加してもらったみたいな……ああいう曲を作り出すとなると楽しいし、いちばんおもしろい形にできあがったなって思います。のんちゃんがやるということで、そのためのアイデアを美しく組み立てていけました」

『GOTH ROMANCE』収録曲“ノンノン・ソング”
 

――そういう新鮮なフックがたくさんあるアルバムでもありますよね。

「フックは多いですよね。アルバム制作前に堀江くんと何度もミーティングしたんですけど、そこが必要な部分ではないかっていう話になりました。いかに聴いてもらえるかが大事だったりするじゃないですか。せっかくアルバム出しても新人アーティストでもないし、それどころかすごくヴェテランなので(笑)、新鮮味がないわけで。そういうアーティストが聴いてもらう取っ掛かりってすごく難しいなと思うんですよ。それこそTVのタイアップとかあればきっかけになると思うんですけど、いつでも入るわけではないし。だからまったく知らない人が聴くきっかけになるためにはフックっていうのは絶対に必要で、そこの部分はしっかり意識しようと」

 

カジヒデキが見つめる、いつか死ぬということ

――“さんでーべいべー”や“5時から7時までのマキ”など、ムッシュかまやつさんやアニエス・ヴァルダがモチーフになっている曲もあります。本作は亡くなった方に捧げる面もあるのかなと思っていて。

『GOTH ROMANCE』収録曲“さんでーべいべー”
 

「そこはたまたまなんですけど、自分もそういう世代になってきたのが大きいなと。20代、30代の頃に影響を受けた人が亡くなっていくのは、いまの年になったからなのかなというのはすごくあって。死を身近に感じる年になったなと。自分自身だっていつそうなっても、というのはありますし」

――そうなんですか。

「やっぱり50をすぎるとそう思うんだなって。40半ばくらいの頃は、自分と死の距離はまだ遠い気がしていました。でも、この年になって、そんなに遠くないんだなって。だからこそ〈やれることをやっておかないといけないな〉って思います。自分の世代くらいの人はそういうふうに思ってるんじゃないかな(笑)。〈死ぬんだからやりたいことやっとけ!〉みたいな。とは言え、急になんでもできたりはしないんだけどね(笑)」

――アルバム自体は若々しくてエネルギッシュですけど、そういう影も見えるのが深みに繋がっているのかなと。父親目線の“青春のブライトサイド”という曲もありますが、先日生まれたお子さんに対する想いもあるのでしょうか?

『GOTH ROMANCE』収録曲“青春のブライトサイド”
 

「自分のプライヴェートなことを歌詞に盛り込もうというのはあまりなかったんですけど、でも結局書いてることって、そのときそのときの感じてることや自分の現状が知らないうちに反映されてるんですよね。単純に青春の話を書いたら、10代の主人公にはお父さんがいたりするわけで、当たり前のように書いたんですけどね。“チョコレートの音楽”も、ある程度年齢がいった夫婦っていう設定があって、そこも自然と出たような気がします。そうやって部分部分ではノンフィクションな面が出ているんだろうけど、基本的にはストーリーを書いている感じですね」

 

ゴスやポジパンは大切なルーツのひとつ

――87年に撮影された写真を宣材として使ったのも、作品を知ってもらうためのフックのひとつでもあるわけですよね。実際話題になりました。

「そうですね(笑)。『GOTH ROMANCE』というタイトルのアイデアが出たのは今年入ってすぐ。ポジティヴ・パンクなバンドをやっていたこととか、ゴスの趣味があったことっていうのは大事な部分だからタイトルにしているんだけど、昔の写真を使おうとは思っていなくて。僕はそこまでの戦略家じゃないので、あれをちゃんと宣伝として使ってくれたスタッフの人たちは偉いなって思います。堀江くんも最初は〈ゴスって一般的じゃないからどうかな〉と思ってたみたいなんですけど、いいと思ったら急におどろおどろしいフライヤーを作ったりしはじめて(笑)。そうやって自分と違う発想で、みんながアイデアを出してくれるのでありがたいです。でも、あの写真は可愛いもんなんですよ」

――もっとすごいのがあるんですか!

「僕は19才のときにNeurotic Dollというバンドに加入して、1年弱で辞めたんですが、あれはバンドを脱退するときのライヴの写真なんです。〈もうゴスはいいや〉って思ってた時期で、ものすごく辞める気満々で、ヘアスタイルもボブみたいになっていて(笑)。当時は大阪のテクノポップ・シーンとかネオアコとか、ノイズとかいろんなものが好きだったので……ボブはきっとリタ・ミツコの影響かな。大阪のテクノポップの人たちも、ああいう髪型をしてる人がいたので、そこから来てるんだと思います。本当はメイクももっとやってたんです。あの写真は薄化粧なほうで(笑)。ファッションも、辞めるときだったのでTシャツとクリストファー・ネメスのパンツでロンドンっぽくていいやみたいな(笑)」

――ナチュラル寄りというかソフトなほうの写真なんですね。

「実はそう(笑)」

――過去の写真を使ったのも作品を届けるためだし、今回はそれだけの充実作ということですよね。

「はい。それこそ新しいデビュー作という気分でやっていたのもあるし、いまの状況を考えても、知ってもらいたいというのが大きいです。自分でも〈こんなにしっかりした作品はいままでなかったな〉っていうくらいの気持ちがある。だから焦らずに売りたいなとも思うし、もしかしたらちゃんと見せる手段が欠けていたのかなと思うので、そういうことをしっかりできるようにしたいですね。この先、2年とか3年とかのタームでこれからのリリースや流れを考え、大きくしていけたらと思っています」

『GOTH ROMANCE』収録曲“水飛沫とファンファーレ”

 

音楽とか映画とかアートとか、そういうものへの興味がずっと変わらずにあるんです

――最後になりますが、ペースを落とさずに活動を続けられる源泉はどこからきているのでしょうか。

「どうだろう? 作ることは生業としてやってきたので、当たり前なんですよね。音楽を作って、ライヴで表現して、こういうプロモーションをやったりすることも好きなんです。それを辞めないためには作るしかない。かといって作品がちゃんとしてないと、次出せることの保証があるわけでもない。そんななかで、常に作りたいものが湧く環境にいるのかなと思うし、周りの友達とかも悩んだりしながらいい作品を作っていて、そういうものにすごく刺激を受けたりする。そうやってずっとやらせてもらえる環境があるのは感謝すべきことですよね。音楽とか映画とかアートとか、そういうものへの興味がずっと変わらずにあるんです。

20歳くらいの頃といまと比べても全然変わってない。もちろん20代の頃みたいにレコードをがむしゃらに探したりはしないですけど、いまでもレコード屋さんのサイトを見たりして欲しいものは買ったりするし、常に新しい映画を見たいと思う。それを繰り返していて、飽きないで生きていられるのも幸せなことだと思います。30代くらいの頃はどこかで興味がなくなるのかなと思ったりしたんですけどね。曲作りも飽きたりするのかなって」

――しかし、そうなることもなく。

「ときどき悩むことはありますけどね。苦しんでものを作るのはイヤだなと思うんです。僕はある程度の余裕がないと作品は作れない。もちろん苦しみのなかで作る作家の人もいるとは思うし、それが新しいものを生み出したりすると思うけど、自分が作っている音楽はたぶんそういうものじゃないなって思う。母からもよく言われるんですけど、気持ちに余裕がない生活をしていると、それが出ちゃう。だから自分がそういう状況を保たないといけないなとは思う。何をしているとそれが保てるかっていうのは、無意識にしても、頭のどこかで考えながら毎日を暮らしているんだなと思います」

 


LIVE INFORMATION
HIDEKI KAJI GOTH ROMANCE TOUR
バンドメンバー:堀江博久(キーボード)/有馬和樹(ギター)/牛尾健太(ギター)/風間洋隆(ベース)/前越啓輔(ドラムス)

2019年7月18日(木)愛知・名古屋Live & Lounge Vio
2019年7月19日(金)大阪・梅田Shangri-La
2019年7月29日(月) 東京・渋谷WWW
※ライヴ会場限定の両A面7インチ「フランス映画にしようよ/ノンノン・ソング」とSECRET GOTHIC PARTY T-SHIRTSを名古屋公演から販売スタート!
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