前作収録曲“一網打尽”のNORIKIYO、SHINGO★西成、漢を迎えたリミックスがYouTubeで250万回以上の再生回数を記録し、各地で生まれたリミックスと併せてバズったほか、「フリースタイルダンジョン」や〈高校生RAP選手権〉ではERONEやHIDADDYが審査員を務めるなど、ここにきてさらにその名を広める韻踏合組合。2年ぶりのアルバムは、ソロ曲などを交えた内容が続いた近作に代わって全曲メンバー全員でマイクを回し、改めてクルー感を誇示する一枚と言えそう。90s色を大きく打ち出した今回のサウンドは、キャリアを重ねるごとにストレートさを増している彼らのラップと正比例。DJ WATARAIの風格あるトラックに乗った“STREET VALUE”は、その極みのひとつともなった。さらに、それぞれのヴォキャブラリーとライミングで4者4様のパンチラインを落とすタイトル曲や“RHYME OR DIE”が、これぞ韻踏な世界を作っている。関西ラップ・シーンの顔役たるグループの存在感にますます拍車をかけるアルバムだ。