個性を〈薄めない〉現場目線をモットーに、全国のアンダーグラウンドなアーティストを広く世に出すべく発足したレーベル、GROW UP UNDERGROUND。その最初を飾る2作品が同時に登場した。まずは大阪のシーンを代表する韻踏合組合のHIDADDYによるソロ作品『GROWING UP UNDERGROUND』。ノリと勢いの延長にこぼれ落ちるファニーなライミングは彼の大きな魅力のひとつ。“Tekitoo”もさることながら、30分強に及ぶ“RAPと演奏も完全即興の巻”ではゲスト勢も加わり、その魅力が即興で加速。肩の力の抜けた和やかなセッションが楽しい。
もう一枚は、WORD SWINGAZでも活動中のMISTA O.K.Iが、約7年ぶりにソロで放つミニ・アルバム『B-BOY STANCE』。みずからを鼓舞する“TACHIAGARE”は、そのタイトルも含めて本作の裏テーマと言えそう。キャリアを長く重ねた年輪にブルースの影が加わり、不器用な彼の姿がより近くに感じられる曲が集まった。