今年3月に『The Suffers』でアルバム・デビューを果たしたばかりの新人バンド、サファーズが、6月13日(月)・14日(火)に早くも来日公演を開催。これまでにカルメラやジェイコブ・コリアーらが出演してきた、ブルーノート東京がシーンを牽引していく可能性を秘めたアーティストを紹介する企画〈The EXP Series〉の第7弾として登場する。
米ヒューストンを拠点とするサファーズは、UKのインディー・ユニット、ヴェリー・ベストのツアーに抜擢されるなど、地元では以前から知る人ぞ知る実力派シンガーとして支持を集めていたカム・フランクリンをヴォーカルに据えた10人編成のライヴ・バンドで、2011年に活動をスタート。全米各地のクラブやライヴハウスで精力的にギグを重ねながら、ソウル、ファンク、リズム&ブルース、ロックンロール、カントリー、レゲエやラテンなどさまざまな要素をブレンドした、いかにも2010年代らしい風通しが良くて多面的なサウンドで、耳の肥えた熱心なソウルマニアを魅了し、アルバムのリリースを期待されていた。ヴィンテージなブラック・ミュージックのモダンな再解釈という点で、東のダップトーン勢に通じるところもあるが、彼らはみずからのサウンドを〈ガルフ・コースト・ソウル〉と呼び、よりミクスチャー志向の強い、独自の方向性を模索している。
2015年には〈SXSW〉や〈ニューポート・ポップ・フェスティヴァル〉といった著名なフェスティヴァルにも出演を果たして全米規模での知名度を獲得。そのフレッシュな勢いを維持したまま、絶好のタイミングでのアルバム・デビュー、そして初来日となった。今回Mikikiでは、日本公演を直前に控えたヴォーカルのカムとバンドの設立メンバーでベーシストのアダム・カスタネーダに、サファーズの生い立ちや日本でのステージに期する想いなどについて語ってもらった。
――サファーズは、少人数でのジャム・セッションからスタートしたと伺いました。それがどのようにして現在のような10人編成のバンドへと進化したんですか? サファーズとして初めてステージに立った日のことは覚えていますか?
アダム・カスタネーダ「何人かで初めての手合わせをしてから、数週間もしないうちにいつの間にかいまの10人でやるようになっていたんだ。バンドの名前も1か月くらい経った頃には決まっていたんじゃなかったかな。最初のショウのことはもちろんいまでも覚えているよ。とても小さな会場で、客のほとんどはメンバーの友達や家族だった。メンバーはみんな、いろいろなバンドで活動していたんだ。でもそれとは違う、何か新しいことに取り組みたくてサファーズのもとに集まった感じだったね」
――サファーズというバンド名の由来について教えてください。
アダム「『ロッカーズ』(78年)というジャマイカ映画にちなんでいるんだ。主人公のひとりが〈I and I a sufferah〉と言うところがあるんだけど、これは〈僕らは皆ひとつだ〉というような感じの意味。このフレーズが気に入って、最初は〈ザ・サファラーズ〉と名乗っていたんだ。でもちょっと発音しづらいかなと感じて、少しだけ縮めて〈サファーズ〉にしたのさ」
――アルバム『The Suffers』を聴いていると、とてもたくさんの音楽的なスタイルが入り混じっているように感じられます。そんなバンドの音楽をみずから〈ガルフ・コースト・ソウル〉と呼んでいますが、サファーズのサウンドの核となる重要な要素は、どのようなところにあると思われますか。
アダム「もっとも大きな影響は、ヒューストンという街そのものだと思う。この街にはメキシカンやケイジャン、カントリー、ロック、ブルースやヒップホップなど、本当にいろいろな音楽が根付いている。〈ガルフ・コースト・ソウル〉というのはそれらをミックスして組み合わせたもの。アメリカ広しと言えども決して他では聴くことのできない、この地域に特有の音楽なんだ」

――ヒューストン出身の他のミュージシャンやバンドから影響を受けていたりもするのでしょうか。
アダム「もちろんさ。ヒューストンはたくさんの才能豊かなアーティストがひしめき合う、素晴らしい音楽シーンのある街だからね。今も昔も、ヒューストン出身の多くのアーティストからインスピレーションを得ているよ」