本格派のハード・ロッキンなお給仕に骨抜きのご主人様/お嬢様が増加中。勇ましいメイド・マナーで熱く攻め立てる5人組!

 メイド服を纏ったガールズ・バンド、その名もズバリ、BAND-MAID。ミュージシャンをめざしながら秋葉原のメイド喫茶でバイトをしていたMIKU(ギター/ヴォーカル)の声かけをきっかけに、〈弾いてみた〉動画で繋がったKANAMI(ギター)と彼女のライヴをサポートしていたAKANE(ドラムス)、AKANEと同じ音楽専門学校に通っていたMISA(ベース)、MIKUと同じプロダクションにいたSAIKI(ヴォーカル)と芋づる式に集まった彼女たち。〈メイドがバンド〉というだけでも軽くバズりそうだが、音楽としての旨味をしっかりと伝えることで、注目度を上げてきたバンドだ。

 「始めたときは、〈カッコイイのがやりたい!〉っていうすごくふわっとしたイメージしかなくて、どういうのが私たちに相応しいんだろうって試行錯誤していたんですけど、それが前作の『New Beginning』で固まった感じがして」(MIKU)。

 ざっくり言えば、ハードな音。さらに突っ込んで言えば、タテノリと言うよりブルースの匂いを湛えた〈揺らす〉タイプのハード・ロック。スケールの大きなメロディーは、SAIKIとMIKUのツイン・ヴォーカルによってそのパッションをさらに増幅させる。

 「やっぱリフものカッケェ~、みたいな(笑)。前作に入ってた“Thrill(スリル)”みたいにリフでガツンと聴かせたり、タッピングで弾いたりすることもそれまではあまりやってなかったので、演奏してても楽しいし、充実感も大きくて!」(KANAMI)。

 「最近出来た曲は音を出したときの気持ち良さがたまらないです(笑)。音の重さもすごく好みだったりするので、弾いててすごく解放されていく感じで」(MISA)。

BAND-MAID Brand New MAID クラウン(2016)

 そしてこのたび届けられたメジャー・デビュー作となるミニ・アルバム『Brand New MAID』。前作で定まったBAND-MAIDの世界観は、当然ながらよりスケールアップした形でパッケージされている。

 「今回は自分たちの意志や希望もいままで以上に取り入れていただいたアルバムで」(MIKU)。

 「こういう歌い回しはしたくないので変えたいです、とか。でも、私が言うと(声が低いこともあって)生意気そうな感じに聞こえちゃうので、MIKUを通して(笑)」(SAIKI)。

 「今回もいろいろ挑戦しているんですけど、“Brand-New Road”という曲は苦戦しましたね。シャッフルの曲なんですけど、ノリ方がメンバー全員違って、練習もずいぶん長くやりました。もう、みんなの顔がヤバかったです(笑)。でも、そこでメンバーのクセが見えて勉強にもなったし、こういうのもできるんだぞっていうスパイスになった曲ですね」(AKANE)。

 「“ORDER”は、“Thrill(スリル)”をさらにレヴェルアップさせた曲にしようというテーマで作られたものなんですけど、ツーバスが多くなってたり、スラップ・ベースが難しくなってたり……ここまでできるんだっていう成長が見せられる曲ですね」(MISA)。

 そのほか、NMB48ベイビーレイズJAPANにもロッキンなスピリッツを落とし込んできた元WRONG SCALE大西俊也が書いた“the non-fiction days”や、BiSHでもお馴染みのチームであるSCRAMBLESが手掛けた“FREEDOM”といった曲もあるが、なんといっても、詞、曲、アレンジに至るまで、初めてすべてをバンドで賄った“alone”が今回のトピックだろう。

 「これまでいろんな曲をお給仕で演奏してきて、こういうメロディーやこういうコード進行だったら心が動くんだっていうのを、身をもって経験してきたことが活きてますね」(KANAMI)。

 「独りよがりじゃない感じで、自分たちも満足できるものが出来たと思う」(SAIKI)。

 6月から30本以上に及ぶ初の全国ツアーに出かけるBAND-MAID。ライヴを〈お給仕〉、ファンを〈ご主人様〉〈お嬢様〉と呼ぶ彼女たちだが、そんな用語上での謙虚なメイド・マナーとは裏腹に、ステージでは終始真正面から攻め立ててくる勇ましいパフォーマンスでもてなしてくれそうだ。