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インタビュー

BAND-MAID『Unseen World』インタビュー完全版――〈原点回帰〉と〈現点進化〉、2つのテーマを1枚にまとめたら、結果的にこうなりましたっぽ

BAND-MAID『Unseen World』インタビュー完全版――〈原点回帰〉と〈現点進化〉、2つのテーマを1枚にまとめたら、結果的にこうなりましたっぽ

BAND-MAIDのメジャー4作目となるアルバム『Unseen World』のリリースを記念して、タワーレコードではフリーマガジン〈別冊TOWER PLUS+〉を発行! ここではその中面に掲載されたインタビューの完全版と、その英訳を掲載いたします。別冊TOWER PLUS+は、タワーレコード全店にて1月20日(水)より配布中です!
※タワーレコードオンラインは除きます。※別冊TOWER PLUS+は無くなり次第終了となります。※天候や交通事情により配布が遅れる場合がございます。

[English Translation]

目標は〈世界征服〉。メイド姿の女性5人組ロック・バンド、BAND-MAID。メイドの世界観を展開する一方で、その世界観とは相反するハードロック・サウンドを武器に観る人を魅了し、全世界規模で世界征服を進めている。2021年には満を持して日本武道館でのお給仕も控える中、メージャー・フォース・アルバム『Unseen World』がリリース! 『Unseen World』についてメンバー5人に制作の裏側を語ってもらった。
※このインタビューは、日本武道館公演中止発表前に収録されたものです。

BAND-MAID 『Unseen World』 ポニーキャニオン(2021)

――いよいよリリースとなったニュー・アルバム『Unseen World』ですが、本作はどれぐらいの制作期間で作られましたか?

小鳩ミク(ギター・ヴォーカル)「今回は(2020年)2月に渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)でお給仕(ライブ)をやったときから制作を始めたものが多くて、そこから11月にレコーディングをやったんですけど、それまではずっと制作していましたっぽ」

――2020年は例年と比べて特殊な状況下での制作になったかと思います。これまでと制作における変化はありましたか?

小鳩「制作の仕方は大きくは変わってないんですけど。コロナ禍で自宅でやる作業が増えたので、それぞれの自宅機材の質を上げたり、いつもはあせあせと急いで作って急いでアレンジして〈急げ急げ!〉っていう感じが多かったんですけど、今回はじっくり1曲1曲デモの段階から作ることができたので、より1曲に対する完成度を上げた状態でレコーディングに取り組めたのは、これまでと大きく違いますっぽね」

――となるとそれぞれのパートに対する向き合い方はより深くなったかと思いますが、具体的に楽曲制作におけるみなさんの取り組み方はいかがでしたか?

MISA(ベース)「今回は時間もあって1曲1曲とより向き合えたので、今までは自分の手癖とか多かったんですけど、そこから一歩先を考えて〈この曲だったらこのフレーズが合うな〉とか〈こういうフレーズは弾いたことないな〉とか意識してベースラインを作りました。そこはやっぱり時間があったからこそできたものはありますね」

AKANE(ドラムス)「私は自粛期間中に個人練習をめちゃくちゃ詰め込みました。いつもはツアーもあって個人練習を長時間なかなか確保できていなかったんですけど、2020年は自粛期間の時間をフル活用して個人練習にあてました。その甲斐もあってレコーディングのときはスムーズというか、フレーズの細かいところもそうですし、今回はBPM(楽曲のテンポ)の速い曲が多いんですけど、それにちゃんと対応できるようになっていました。具体的にはフィンガートレーニンングや足の連打の練習を中心にやっていたので、そこでも自分の成長が感じられたアルバムになっています」

SAIKI(ヴォーカル)「今までは自宅で全力で歌える環境ではなくて、まあそれでも6割ぐらいは出しちゃうんですけど(笑)、自粛期間でアルバムを作っていたこともあったので、まず家で録れる環境を整えました。今までツアーに出ていたりとかで家にいる時間が少なかったので、あまり自宅の環境を整えていなかったので、そこから改善しましたね。おかげで仮歌を録るときも〈音質が良くなって助かった〉と言われました(笑)」

KANAMI(ギター)「たしかに音の質がすごく上がったので、デモを作るにあたってのミックスなどもしやすくなりましたね。私はコロナ禍でずっと引きこもっていたんですけど、その間はとにかくリフを作ってました。リフをとにかく作る作る作るっていう感じで、今回のアルバムもそのリフからチョイスして作っていった曲が多いです。技術的には今回のアルバムに限らず前からテンポを落としてギターソロを作るとか、ギターソロをピアノで打ち込んでとかで作っていたんですが、今回はそういうのも活かしつつ自分でも数か月練習しないと弾けないフレーズも入れています。そういう点でも自分の成長にもつながるアルバムになっていると思います」

――小鳩さんは本作でもすべての歌詞を手がけられていますが、作詞という面において変化はありましたか?

小鳩「いつもだったら歌詞は急ピッチで詰め詰めで進めることが多いんですけど、今回は作詞の時間が比較的ゆっくりとれた曲もありましたっぽ。違いというと、いつもだったらお外でリフレッシュしながらとかいろんなインスピレーションを感じながら作詞できるんですけど、今回は自粛期間だったのでそれがなかなかできなかったので、ひたすら漫画とか読み漁っていましたっぽね。〈読む〉っていうことのほうが文字を目にしながら絵も感じられるのでインスピレーションを受けやすくて。今回の歌詞はKANAMIからデモをもらった時点で、ストーリー性のある歌詞がいいなと思ったので、そういうところからインスピレーションを受けて書きましたっぽね」

――ちなみにどんなジャンルの漫画を読まれていましたか?

小鳩「ジャンルは色々なものを読みましたっぽ! 恋愛漫画とかジャンプ系とか、すごく昔の漫画も読みましたし、いろんな漫画を一気に読み漁りましたっぽ。詐欺師の漫画、歴史系の漫画、メンヘラ系の漫画も読みましたし(笑)、ジャンルは幅広く読みましたっぽ」

――そうして作られたニューアルバム『Unseen World』はバンドとして原点回帰/現点進化を謳った作品となりました。

小鳩「もともと〈原点回帰〉というテーマは初期の私たちに近いテイストをイメージしていて。当時はまだ作曲家の方に書いていただいた曲が多かったので、その頃の音を今の自分たちだけで作ったら面白いんじゃないかっていうのが始まりだったんですっぽ。それと並行して今の私たちにとって挑戦的な楽曲も作っていたので、じゃあそれを〈現点進化〉としようとなって。この2つのテーマを1枚にまとめたら、結果的にこういう感じになりましたっぽ」

――たしかに〈原点回帰〉というかつてのハードロッキンなサウンドがありつつ、一方で〈現点進化〉というアグレッシヴなアプローチも衝撃的でした。

小鳩「全体的に今回攻め攻めが多くなったのは、コロナ禍だったから、というのもあるかもしれないですっぽ。元気を出さねばと」

AKANE「毎回難しいことをやりたくなる、自分たちで自分たちのハードルを上げていくというのは今回も出てしまったなと(笑)」

小鳩「前作は幅を広げて今までやってこなかったミドルテンポや綺麗な楽曲を多めにやってみようというものが芯にあるので、それとはまた違ったアルバムになったと思いますっぽ」

――いわゆる〈現点進化〉を感じさせる、”Warning!”や”NO GOD”などはプレイとしても非常にタフだなと。

小鳩「しんどさは年々上がっていますっぽ(笑)!。楽曲のレベルが上がっているので。正直作ってやっているときは、お給仕(ライブ)でやることまで考えていない自分がいるという感じですっぽ」

SAIKI「演奏の大変さはあまり考えずに〈これかっこいい! これやろやろ!〉って感じで(笑)」

AKANE「曲を完成させるまでに個々でスキルアップしてから挑んではいるんですけど、いざレコーディングやお給仕でバンドで合わせるときに、またしんどさがあるという(笑)」

――制作期間で上がった個々のレベルを、レコーディングでまた一段階引き上げるんですか?

小鳩「曲を作り出しているときはまだ自分がそのレベルに達していないことが多いですっぽ。制作していってレコーディングしてお給仕で披露するまでに、ちゃんと自分たちもレベルを上げるというか。そのハードルを超えるために頑張るという感じですっぽ」

SAIKI「レコーディングのときはみんな動かないもんね」

小鳩「パフォーマンスを考えていないですっぽね。〈お給仕になってこれどう動こう?〉ってなりますっぽ(笑)」

AKANE「表情も作らなくていいから職人のように真剣な表情で、黙々とやっているもんね」

――たしかに個々のパートにおいてもよりレベルが上がったと感じさせるプレイが多々聴かれました。ヘヴィなサウンドにおいては特にリズム隊の進化が感じられたかと。AKANEさんのドラムもキックのバリエーションが非常に豊かになって。

AKANE「スキルレベルは年々上がっていますね。速さもそうですし、バスドラのキックの連打の多さも。基本的にKANAMIがフレーズの大まかなものはデモで作ってくれるんですけど、”BLACK HOLE”では7パターンぐらいキックのバリエーションは提出して、それでどれがいいかメンバーに聴いてもらったりしました」

KANAMI「最初、タイトルが〈地獄〉だったよね」

AKANE「そう、地獄っていうタイトルで、あとは辛いとか、普通と楽勝とかパターンを出して、難易度別に出していたんですけど、タイトル〈地獄〉になりました(笑)。地獄を選んでくるんだろうな、普通は選ばないんだろうなって思っていたんですけど」

SAIKI「速攻だったよね、〈じゃあ〈地獄〉で〉って(笑)。なんなら〈〈楽勝〉は聴かなくていいや〉って」

KANAMI「私もデモ作りのときは、以前はドラムの叩き方をあまり勉強していなかったので、実際に叩こうとすると手が3本になっちゃうことはよくあったんですけど(笑)、最近は3本にはならない、人間業じゃないというものはなくなりました。でも、もうちょっと頑張ったらできるんだろうなっていう想定はしながらやっています。ベースも、たまにちょっとこういう感じが欲しいというのを入れたりするんですけど、基本的にはMISAのご自由にって」

MISA「私も、今までで(ピッキングする)右手がいちばん忙しいアルバムでしたね。特に”NO GOD”や”Why Why Why”とか。基本はピック弾きなんですけど、そこにスラップも入れているから、テンポが速いことで、さらに右手が忙しくなるという(笑)」

――ベースでは左手のフィンガリングが忙しいという表現はありますが、本作ではスラップも多く、たしかに右手が忙しい印象です。

MISA「普段はピックで弾きつつスラップもやっているからしょうがないんですよね。テンポここまで速いのとピックの鳴りが好きだからというので、指弾きではなくピック弾きにはこだわっています」

――”本懐”などベースが引っ張るような楽曲も多いですね。

MISA「そうですね、”I still seek revenge.”とか。スラップが多い曲は今まではそこまでなかったので、お給仕のことを考えずに作ったら大変なことになったという。筋トレしないと(笑)」

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