ニューオーリンズの偉人による最終作は、ピアニストとしての自身に静かにスポットを当てたもの。名曲“Southern Nights”をピアノ・ソロで弾ませ、先人プロフェッサー・ロングヘアの“Mardi Gras In New Orleans”を慈しむように演奏するなど、伴奏は最小限に抑えながらスタンダードをエレガントなタッチで披露していく。表題としたポール・サイモンのナンバーを朗々と弾き語る様には、在りし日の姿が偲ばれる。