ピーター・バラカン氏が音楽への愛情を持ってオーガナイズする音楽フェスティヴァル〈Peter Barakan's LIVE MAGIC!〉が、10月25日(土)と26日(日)の2日間、東京・恵比寿ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルームにて開催。Mikikiでは、バラカン氏本人による出演アーティストの解説を、視聴/試聴コンテンツと共にお届けする連載をスタート。第1回は計5組をピックアップします! なお、チケットの一般発売は今週末の7月19日にスタートするので、チェックをお忘れなく!

(解説は6月21日放送のInterFM「MONTHLY SPECIAL PROGRAM “LIVE MAGIC!”」より)


 

ジェリー・ダグラス・バンド 
出演日:10月25日/26日

 

フェスをやることになったとき、真っ先に呼びたいと思ったのがこの世界的なドブロ奏者、ジェリー・ダグラスです。ジョン・フォガティが〈世界で最も好きなミュージシャン〉と言い、ジェイムズ・テイラーに〈ドブロ界のモハメド・アリ〉と呼ばれる彼は、オハイオで1956年に生まれたミュージシャン。お父さんが趣味でブルーグラスをやっていたそうです。

【参考音源】ジェリー・ダグラスの2012年作『Traveler』収録曲
“The Boxer feat. MUMFORD & SONS, PAUL SIMON”

 

キャリアはかなり長く、ソロ・アルバムも十数枚出していますし、スタジオ・ミュージシャンとしても活躍。いまはアリソン・クラウスのバンドのメンバーだったり、英BBCが主催となってスコットランドで開催されるプログラム、〈トランスアトランティック・セッションズ〉のミュージカル・ディレクターを務めたり、いろいろなコラボ作品を作ったりというのが活動の中心になっています。ドブロという楽器はブルーグラスでよく聴く楽器なんですけど、ジェリーのおかげでそれ以外のいろいろなタイプの音楽で使われるようになりました。

【参考音源】アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションの
2011年作『Paper Airplane』収録曲“My Opening Farewell”

 

【参考動画】1998年の〈トランスアトランティック・セッションズ シリーズ2〉より
ジェリー・ダグラスによる“Tribute To Peadar O'Donnell”と“Takarasaka”

 

2012年に発表された最新アルバム『Traveler』には、エリック・クラプトンケブ・モーマムフォード&サンズポール・サイモン、それからジェリーがメンバーになっているアリソン・クラウス&ユニオン・ステーションも参加。この作品では、彼のキャリアではじめてラップ・スティールも使われています。また、2005年作『The Best Kept Secret』にもデレク・トラックスやジョン・フォガティなどいろいろなゲストが参加していました。

【参考動画】ジェリー・ダグラスによる
ウェザー・リポート“A Remark You Made”パフォーマンス映像

 

フォークとかトラディショナルな感じの曲、ブルーグラスもあり、シンガー・ソングライターのような曲もあるんですが、ウェザー・リポートの楽曲もカヴァーしたりと、この人はなんでもやるんです。もちろん皆さんにも〈LIVE MAGIC!〉に足を運んでいただきたいんですけど、それよりも何よりも、僕自身がジェリー・ダグラスの演奏を生で観られることに、ものすごくワクワクしています。

【参考動画】ジェリー・ダグラスがジミ・ヘンドリックスで有名な“Hey Joe”を演奏する模様

 

 

スタンリー・スミス 
出演日:10月25日

 

すでに何度か来日しているテキサス出身のミュージシャンです。最初はアサイラム・ストリート・スパンカーズというちょっと変わったアコースティック・バンドの、主にクラリネット奏者として知られていました。しかしその後にソロ・アルバム『In The Land Of Dreams』を出し、歌手として、またギタリストとしても知られるようになりました。スタンリーのリラックスした雰囲気はライヴでもすごく楽しいので、今度の来日も非常に楽しみにしています。

【参考動画】スタンリー・スミスがピーター・バラカン氏のラジオ番組
「Barakan Morning」に出演した際の映像

 

 

ジョン・クリアリー 
出演日:10月25日(バンド)/26日(ソロ)

 

ニューオーリンズに30年以上住んでいるイギリス人のピアニスト/歌手です。彼も何度か来日しているんですけど、今回はアブソリュート・モンスター・ジェントルメンという彼のバンドを連れてきます。このグループで前に一度来日していたんですけど、そのギタリストのダーウィン“ビッグ・D”パーキンスという人の演奏をもう一度聴きたいというファンがかなりいるようです。僕もすごく楽しみにしてます。

ジョンはニューオーリンズの音楽の生き字引と言ってもいいくらいの人。フェスでは一度バンドで、またもう一度ピアノだけで演奏してもらおうと思っています。

【参考動画】ジョン・クリアリーとアブソリュート・モンスター・ジェントルメンのパフォーマンス映像

 

 

ブークー・グルーヴ 
出演日:10月26日

 

ジョン・クリアリーの代わりにドニー・サンダルという歌手/キーボード奏者がアブソリュート・モンスター・ジェントルメンに入ると、ブークー・グルーヴというグループが出来上がります。このバンドは知名度こそありませんけど、1枚出しているCD『A Lil' Boukou In Your Cup』は素晴らしい内容のアルバムです。彼らも今回のフェスに呼ぶことにしました。

21世紀にこんなグループがあったのか、とちょっとびっくりします。彼らも個人的にほんとに楽しみですね。

【参考動画】ブークー・グルーヴ “I'll Take You There”パフォーマンス映像

 

 

BLACK WAX 
出演日:10月25日

 

こちらも〈そうか、21世紀にこんなグループがあったのか〉という感じがするかもしれません。久保田麻琴さんが発掘した宮古島ファンク・バンドで、つい先日、宮古島の言葉で〈踊り〉という意味のタイトルを持つ3枚目のアルバム『Vudu-Eee』が出たところです。

BLACK WAXは女性2人、男性2人の4人組です。サックスMarino Ikemura、その姉妹でキーボードを担当するAyano Ikemura、ベースTetsuya 88 OginoドラムスMikio Okuhira。みんな宮古島で生活しながら、別の仕事を持って音楽活動をしてるんですけど、これは本当にもったいないと思って、ぜひともこのフェスで、できるだけ多くの人の耳に触れてほしいと思っています。

【参考動画】BLACK WAXの2014年作『Vudu-Eee』サンプラー

 


 

〈Peter Barakan's LIVE MAGIC!〉
http://livemagic.jp/

日時/会場:10月25日(土)、26日(日) 東京・恵比寿ザ・ガーデンホール/ザ・ガーデンルーム
開場/開演:
【10月25日】13:30/14:30
【10月26日】12:00/13:00
出演:
【10月25日】
JON CLEARY & THE ABSOLUTE MONSTER GENTLEMEN/細野晴臣/JERRY DOUGLAS BAND/STANLEY SMITH/告井延隆/BLACK WAX with 久保田麻琴 live mix/MONSTER大陸/Rei


【10月26日】
JERRY DOUGLAS BAND/高橋幸宏 with Dr. kyOn、高田漣/JOHN CLEARY(ソロ)/BOUKOU GROOVE/中村まり/濱口祐自/TARO & JORDAN

チケット:
・一般発売 7月19日(土)
・1日券 9,800円 (税込/1ドリンク代 ¥500別/オールスタンディング)
・2日通し券 17,500円 (税込/各日1ドリンク代 ¥500別/オールスタンディング)

 


 

〈InterFM 「MONTHLY SPECIAL PROGRAM "LIVE MAGIC!"」〉
http://livemagic.jp/radio/

DJ:ピーター・バラカン

10月25日(土)/26日(日)の開催まで、6月から毎月1回、5か月間に渡り〈Peter Barakan’s LIVE MAGIC!〉の魅力をお届けします。

次回の放送は7月19日(土)21:00から。お楽しみに!