これがグッド・シャーロット!
そう、『Youth Authority』はファースト・アルバム『Good Charlotte』(2000年)にも負けないエネルギーで漲っていて、ポジティヴかつとことんキャッチーなパンク・ナンバー、つまり多くのキッズがイメージする〈グッド・シャーロットらしい曲〉を、メインにドカンと据えている。なかでも冒頭を飾る“Life Changes”は、〈帰って来たぜ!〉と言わんばかりの躍動感に溢れた逸品だ。
「人生は常に変わるもので、それはどうにも止められない。だけど、前に進み続けなきゃいけないんだ。楽観的に、希望を持ってね――そんな思いを“Life Changes”には込めているよ」。
そのほか、10代でLAに移住した頃のワクワク感をハンドクラップやホーンで再現したという“40 Oz. Dream”、出世作『The Young And The Hopeless』(2002年)のキーフレーズを歌詞に盛り込んだ“The Outfield”も、往年のリスナーを喜ばせることだろう。また、スリーピング・ウィズ・サイレンスのケリン・クインが参加した“Keep Swingin’”や、ビッフィ・クライロのサイモン・ニールを迎えての“Reason To Stay”といった、後輩世代とのコラボも聴きどころだ。
「ビッフィ・クライロが好きだったから、共通の友人に紹介してもらったんだ。もともとグッド・シャーロットの曲を一緒に作るつもりはなかったんだけど、〈サイモンとセッションしたら仲良くなれるかも〉と思ってね。それで“Reason To Stay”が出来た。他のバンドのファンになるというのは楽しい経験だよ」。
こうしたアグレッシヴで若々しい曲の合間に、カントリー・タッチの“Cars Full Of People”など、マッデン・ブラザーズの延長線上にあるようなナンバーを挿み込み、単なる原点回帰では終わらない、30代後半という年相応の落ち着きもアピールしているのだから隙がない。参った!
「〈Youth Authority〉というタイトルは、過去の俺らであり、いまの若者のことだよ。この瞬間、世界のどこかでギターを持った若者がすべてを変える。今回のアルバムは辛さを味わいながら戦ってきた人たちに聴いてほしい。今年で結成20年を迎えるけど、〈これがグッド・シャーロットなんだ!〉って言える作品が完成したと思っているよ」。