著者のオペラへの深い愛情が感じられます。本書では代表的なイタリア語のオペラ「ラ・ボエーム」「リゴレット」「愛の妙薬」「チェネレントラ」「フィガロの結婚」を例にあげて、当時それぞれの作曲家たちがいかに様々な障害を経て自身の理想とするオペラを作ろうとし、その過程でどれほど脚本が大きな存在を占めていたか、という点に着目し興味深いエピソードと共に、それを深く掘り下げて描いています。最終章ではオペラの始まりとされるモンテヴェルディの「オルフェオ」を取り上げています。また違った視点からのオペラの楽しみ方を教えてくれる1冊です。

【参考動画】クラウディオ・モンテヴェルディ作のオペラ “L' ORFEO”