The SALOVERSの活動休止後、弾き語りなどで披露してきた楽曲を親しいバンド仲間と組み上げた、ソロとしての初フル・アルバム。肩の力の抜けたフォーク・ロックを中心に、軽快なオルガンやトランペット、愉快なコーラスを加えたり、音を楽しむ基本に立ち返った好盤だ。注目は歌詞で、青春期の追憶や喪失感を鮮烈に描き切り、ラストの曲で新しい自分の誕生を宣言する魂のドキュメントが胸を打つ。ここが本当の始まりだ。