SP復刻レーベル〈ぐらもくらぶ〉から市川八百蔵による「宮本武蔵(吉川英治・作)」のレコードが完全復刻。昭和14~15年にかけてラジオで放送されたこの「宮本武蔵」の朗読は、漫談家/作家の徳川無声と歌舞伎俳優だった八百蔵とで人気を二分し、2人の人気は戦時下の国民的娯楽でもあったラジオ文化の影響力を現代に伝える。今回初めて耳にした70年前の朗読は、描写のおもしろさ、声による表現の種類の多さもお見事! 朗読の中の日本が今の日本よりも日本的である気がする不思議。これはニッポンの芸能の奥行きを感じる体験となりえる、そう、体験として脳に保存しておきたい。