説明不要の祝祭即興音楽集団“渋さ”の4年ぶり新作はクラシック楽曲集? とはいえクラシックの祭典〈ラ・フォル・ジュルネ〉出演常連なれば実は意外ではなく、むしろその構成の素晴らしさが耳を惹く。ベルリオーズが阿片を摂取しながら書き上げたというサイケな巨大交響楽の先駆として知られる、まさに渋さの為にあるような《幻想交響曲》をメインに据え、シリアスで目まぐるしい音の洪水で圧倒。更に、ミニマリズムを煮詰め渋さ流に仕立てた衝撃の《ジムノペディ》が効果的に差し込まれ、大団円で歌い上げられるドヴォルザーク《家路》からサッチモに流れ込む辺り、流石、感涙必至の大傑作である!