ベルリンを拠点に活動するアンビエント音楽家、midorihiranoによる電子音楽にフォーカスしたプロジェクト、ミミコフが4年半ぶりに放つ新作。近年は宇宙をモチーフに作品を発表してきた彼女が今作で選んだテーマは〈月の公転〉。自身のルーツであるピアノや生楽器と共に、新たに導入されたアナログ・モジュラー・シンセが中心に据えられ、流れるように様々な「表情」を見せていく楽曲はまるで地球の軌道を回る月からの眺めのよう。どこか原始的な響きを持つこの1時間弱の「旅」はまた、極めて映像的であり同時に我々人間という存在の小ささも示唆しているようでもある。