2026年に入り、日本武道館での単独公演開催、〈FUJI ROCK FESTIVAL ’26〉のメインとなるGREEN STAGEへの出演、新曲“言伝”“Everyday”のリリース、過去作の重量盤LP化と話題を振りまきつづけているBialystocks。そんな彼らがニューシングル“一瞬”を5月22日に配信リリースした。今回はこれを機に、静かに支持を集めてきた2人が今いる現在地について、初期から取材している音楽ライター峯大貴に綴ってもらった。 *Mikiki編集部

Bialystocks 『一瞬』 IRORI/ポニーキャニオン(2026)

 

Bialystocksの武道館公演がナチュラルな理由

2026年1月9日、Zepp DiverCity (TOKYO)で行われた〈Bialystocks 2+5 ツアー〉の最終公演。アンコールで高揚感あるアレンジで演奏された“Upon You”の間奏で、甫木元空(ボーカル)が一枚の紙を読み上げる形で、7月15日に日本武道館での単独公演の開催を発表した。大いに沸く祝福ムードの会場を尻目に、筆者は冷静に粛々とGoogleカレンダーに予定を登録したことを最初に告白しておきたい。

最初にMikikiでBialystocksのライブをレポートした2022年5月の〈音楽交流紀 1〉の頃から、節目となるイベントの最後はいつも、甫木元の口から次のメルクマールとなるトピックがアナウンスされてきた。2022年7月の〈音楽交流紀 2〉では甫木元の監督映画「はだかのゆめ」の公開と大手町三井ホールでの単独公演、2022年10月の〈第一回単独公演〉ではメジャーデビューと1stアルバム『Quicksand』のリリース、2作目のアルバムリリースに際した〈Songs for the Cryptids Tour〉の2024年11月の最終公演では東京国際フォーラム ホールAと大阪フェスティバルホールでの単独公演……といった具合に。

そして昨2025年は、甫木元と菊池剛(グランドピアノ)だけで全国19カ所を巡る〈二人編成ツアー〉と、3都市のZeppを回ったこの〈2+5 ツアー〉を盛況で完遂。今の状態のBialystocksの次の展開が、日本武道館での単独公演。極めてナチュラルかつ順当と受け入れてしまったのだ。

 

創作物に重きを置くアートフォームとしての気高さ

でもこのナチュラルさの裏を返すと、Bialystocksは自身のキャリアが物語になることを、緩やかに拒絶してきたようにも感じる。リリースされるシングルやアルバムはもちろん、その大半を甫木元が監督を務める映像作品としてのMV、菊池がツアーごとに全ての楽曲を再アレンジ & 1つの公演として再構成するライブに至るまで、徹頭徹尾創作物にプライオリティを置いてきた。

それはどんなアーティストもそうだろうと言われればそれまでなのだが、最初に書いたライブレポートで使った表現を借りると、Bialystocksは一蓮托生の運命共同体的な〈バンド〉よりも、甫木元と菊池による〈アートフォーム〉と表す方がフィットする。そこはステージプレイヤーというよりも、Bialystocksにおける作曲家・編曲家・プロデューサーの側面を持つ、職人気質な菊池に起因する部分が多いが、〈甫木元・菊池の歩み〉ではなく〈Bialystocksが生み出すもの〉に目を向けてほしいという至極真っ当な想いが、振る舞いから感じ取れるのだ。

そんな気高くも控えめな志が絶えず一定の右肩上がりを続け、日本武道館、加えて7月25日には〈FUJI ROCK FESTIVAL〉のGREEN STAGEへの出演まで辿り着いたのである。