絶好調のアイリッシュ・バンドが再来日!
歯切れ良い明るい音を奏でるバンジョーのサウンドそのままに、楽しくエネルギッシュなライヴを聞かせるアイルランドで今最も旬なバンド、ウィ・バンジョー・スリーが10月に日本に戻ってくる。
米国南部産のブルーグラスやオールドタイムの源流はアイルランドやスコットランドからの移民と共に運ばれた音楽だが、ウィ・バンジョー・スリーはその大西洋をまたぐリンクを体現するような〈ケルト・グラス〉を演奏する4人組。アイリッシュ・ミュージックにおいて、近年は地味な存在だった4弦のテナー・バンジョーの人気を再燃させたバンドでもある。シャロン・シャノンやルナサを育てたアイルランド西部の音楽の街ゴールウェイで12年に結成。エンダ(バンジョー)とファーガル(フィドルとバウロン)のスカヒル兄弟、マーティン(マンドリンとバンジョー)とデイヴィッド(リード・ヴォーカルとギター)のハウリー兄弟という2組の兄弟から成る。当初は「テナー・バンジョーという楽器の可能性を探って、ブルーグラス、オールドタイム、ラグタイム、ミンストレルなども演奏してみるプロジェクト」として始まり、ピック弾きのテナー・バンジョーにブルーグラスの5弦バンジョーのフィンガーロール奏法の影響を取り入れて、独自のサウンドを発展させてきた。
15年末の初来日では、ハンバート・ハンバートや津軽三味線の上妻宏光ら日本のアーティストとの共演を含むツアーを精力的にこなしたが、鮮やかな演奏に加え、一生懸命覚えた日本語のトークを連発するサーヴィス精神にも溢れた愉快かつ熱烈なパフォーマンスはどの会場でも大受けで、CDが早々に売り切れてしまったほど。そして16年には、アメリカ各地のブルーグラス・フェスティヴァルにも出演して、やはり評判を呼び、今や活躍の場は国際的となっている。
そんな彼らが自信を持って作った充実の最新作が『ストリング・セオリー』だ。アイリッシュとブルーグラスのリンクを追求する方向性は同じだが、米国にも活動の場を広げたことで、そのつながりが実際の共演という形でも表現される。ブルーグラスの名手アリソン・ブラウンがオールドタイム・チューンのセットで5弦バンジョーを弾くし、米国のシンガー・ソングライター、グレッグ・ブラウンの曲でデュエットするフランシス・ブラックの娘イーファ・スコットの歌声はアリソン・クラウスを思わせるものだ。有名な英国産伝統歌“二人姉妹”にしても、トム・ウェイツ版を基にした解釈というひねりがある。また、ホーンがライヴ盤に続いて一部に参加。ブラスバンド的な響きのハーモニーを控えめながら効果的に添えるのもいい。
LIVE INFORMATION
We Banjo 3 来日公演2017
○10/15(日)16:00開演 会場:所沢市民文化センターミューズ マーキーホール
ゲスト:上間綾乃(唄・三線 from 沖縄)
○10/16(月)19:00開演 会場:渋谷クラブクアトロ
○10/18(水)19:00開演 会場:梅田クラブクアトロ
○10/20(金)19:00開演 会場:山形・文翔館
○10/21(土)16:00開演 会場:ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
Peter Barakan's LIVE MAGIC! 出演
○10/22(日) 会場:恵比寿ガーデンプレイス