没後10年、生誕70年、代表作『牯嶺街少年殺人事件』、長編2作目の『台北ストーリー』の公開となった2017年にあらためて監督エドワード・ヤンについて考えるという書物。これが30名を越す執筆者による論考や対談、またヤンや関係者のインタヴューなどを収録した460頁を超える内容とボリューム。まさにヤンに関する書籍の決定版である。興味深いのは、98年にヤンが成瀬巳喜男に賛辞を捧げた文章をキーとしてヤンの作家性について思考する論者が複数散見される点。惹句「この世界にはエドワード・ヤンが必要だ」。無論、私も生前からそう思っていたが、今もなおその言葉は有効であることを噛みしめる書物である。
「エドワード・ヤン――再考/再見」 執筆者30名超の論考や本人インタヴュー収録でまさに決定版
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