エピック移籍後の初リリースとなる7作目。表題に〈リセット〉と掲げてはいるが、彼女らしい激情型R&Bはもちろん不変。アルバムに半端なアップはなく、ハーモニー・サミュエルズやDJマスタードら続投組のプロデュース曲をはじめ、どっしりと聴き応えのあるバラードに感情をぶつけていくような振る舞いが全編に渡って味わえる。なかでも彼女自身が制作した柔らかな美麗ミッド“Right Time”、曲名通りに熱を込めて歌うスロウ“Emotional”が白眉。カマイヤやヤング・サグら気鋭ラッパーをゲストに迎えるなど現行モードにも目配せしつつ、そんな云々を超えた地点で繰り広げられるドラマティックなR&Bは、いまや、かの〈クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル〉と並ぶ彼女だけの王道スタイルだと言えるだろう。