持ち前のアプローチに新たなチャレンジの加わったカラフルな新作をリリース!

 OMAKE CLUBよりカラフルなヒップホップをリリースする4MCグループ・JABBA DA FOOTBALL CLUB。昨年リリースのアルバム『OFF THE WALL』、そしてそのリード曲であった“STAY GOLD, LIFE GOES ON”からも感じられる通り、彼らの音楽は、4MCの掛け合いによるオールド・スクールなアプローチに加え、2000年代にKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEらが提示してきた〈J-Popとしてのヒップホップ〉(ここにネガティヴなニュアンスがないことに留意されたし)の香りと流れを濃厚に感じさせる。

 そして『OFF THE WALL』収録の“FANTASTIC 4”でも描かれるように、年齢や地元が異なるメンツの集まったメンバーたちが、共通して影響を受けたのは、上記したようなKICKやRIP、そしてRHYMESTERだったという。

 「新作が出るたびにみんなで聴くし、今でも一緒にライヴに行ったりしてますね。だから自分たちの共通した音楽の基礎には、そういったグループがあります」(NOLOV)。

 「僕らの音楽は今の流行や現行のシーンとは違うアプローチかも知れないけど、シーンや周りの目を考えないで、単純に自分たちが気持ちがいい〈自分たちのグッド・ミュージック〉を考えたら、このスタンスになっていったんですよね」(BAOBAB MC)。

 彼らのライヴに関しても、緩急やフリをしっかり効かせたわかりやすい構成も印象的だ。そして、そういったJ-Pop的な王道性が、現状においてはオリジナリティーとして認識できるもの興味深い。

 「曲だけじゃなくて、MCやステージングも含めて楽しめるライヴが好きだし、自分たちもそうありたい。楽曲やアプローチのゴールはライヴだと思うし、ライヴが僕らのテーマでもあると思いますね」(ROVIN)。

JABBA DA FOOTBALL CLUB FUCKING GOOD MILK SHAKE OMAKE CLUB(2018)

 その彼らが新たにリリースしたEP『FUCKING GOOD MILK SHAKE』は、これまでの家内制的な制作アプローチではなく、客演や外部プロデュースも含めた、より広さのある作品となった。

 「自分たちの近くにいて、一緒に作りたかった人と作ろうと。トラックにSam is Ohmを迎えた“THINK RICH, LOOK GOOD feat. Kick a Show”は、彼らの今っぽいサウンドに、オールド・スクール的な僕らが乗るとどうなるんだろう、っていうチャレンジでもあって。Tempalayの“革命前夜”をサンプリングして、TOSHIKI HAYASHI(%C)にトラックを作ってもらった“月にタッチ”だったり、今までと感触の違うことはできたと思いますね。特に“月にタッチ”はシーン的に見ても新しいことができたと自負しています」(NOLOV)。

 「一方で、僕らのイメージ通りの“MONKEYS”みたいな明るい曲で落差も付けたかったし、EPだけど自分たちのノリの広さは出したかったですね」(BAOBAB MC)。

 「今回はテーマをしっかり固めたんですけど、それゆえに生まれた言葉だったり、メンバーとの掛け合いの中で出てきた言葉もあって。いい化学反応が生まれたと思いますね」(ASHTRAY)。

 「今回はバランスを気にしないようにしたんですよね。『OFF THE WALL』はキレイにまとまってたかも知れないけど、それよりもメンバーそれぞれの個性を出して、俺自身もどの曲でも〈俺が一番格好いいぜ!〉って我を出したんですよね。それが逆にバランスになったら嬉しいなって。このEPが評価されて大型フェスに出られるようになりたい」(ROVIN)。

 このEPを通して新たな段階に進んだJABBA DA FOOTBALL CLUB。その未来はどう描くのだろうか。

 「僕らが音楽やラップへの入り口になれれば嬉しいですね。僕らにとってRIPやKICKがそうだったように」(BAOBAB MC)。

JABBA DA FOOTBALL CLUBの作品。